アプリ「Path」は、既存のSNS以上に強い結びつきを作ることをコンセプトにしたソーシャルアプリである。TwitterやFacebook、Foursquareといった既存のSNSにシンプルに投稿を共有したい場合にも、非常に威力を発揮する。しかも、使い心地の良いユーザーインターフェースデザイン(UI)が素晴らしい。
Pathは元々、友達を50人限定でより強い結びつきを作る密なソーシャルメディアコミュニケーションを目指していた。今回のリニューアルでアプリのデザインが一新され、150人まで友達を増やせるようになったが、Twitterのほぼ無制限なフォローやFacebookの5000人という友達の人数の制限よりも遙かに少ない、いわば「自分の手が届く身近な150人を選んで」ソーシャルメディアを作ると言う場が出来上がっている。
Pathを活用する際の注目すべきポイントは3つだ。
1つ目はPath自身で制限をかけている150人という制限だ。特に日本では2011年、“実名制SNSに対する初挑戦”として受け入れられつつあるFacebookは、ビジネスでの活用も強めながら普及してきた。またTwitterも、友人同士のやりとりに加えて情報共有や情報取得、発信といった意味合いが強い。
つまり、パブリックな環境に近い状態で、これらのサービスが普及してきたと言える。もちろんFacebookにもリストやプライバシー設定などさまざまな対処の方法はあるが、ソーシャルなコミュニケーションのつながりをもう少し狭いコミュニティで行う場として、Pathが位置づけられる可能性がある。
2つ目はソーシャルジェスチャーのディストリビューション。筆者は、ソーシャルメディア上に位置情報へのチェックインや短文の投稿、「いいね」といったリアクションなどをまとめて「ソーシャルジェスチャー」と呼んでいるが、Pathは現在のところ、Twitter、Facebook、Tumblr、Foursquareといったそれぞれ役割が少しずつ違う各種ソーシャルメディアと連携し、Pathに投稿したテキストや写真、動画、チェックイン、友達と一緒にいる、といった情報を、それぞれのサービスにも投稿することができる。
Pathで投稿した情報のうち、写真などをTwitterやFacebookなどの人たちにも見せたい場合は、ソーシャル連携をONにするだけでそちらにも情報を投げることができるのだ。1点目で指摘したPathそのものでのより密なソーシャルメディア共有に加えて、他のソーシャルメディアに対するコンテンツ投稿アプリとしての役割も果たしてくれる点で、非常に便利なアプリと言える。情報をどこに流すのか、考えながら共有できる点で、情報のコントロールが非常に便利なのだ。
そして3点目は素晴らしいユーザーインターフェイスだ。PathのUIはFacebookより一足先に、「タイムライン」のデザインをスマートフォンで実現した。自分のページのトップに、自分らしい壁紙を大きく配置し、そこから下に新しい順で自分や友達が投稿した情報が並ぶ。時間を遡るべく下にスクロールさせると、右側にアナログ時計が登場し、投稿した時間をかわいらしく知らせてくれる。そして何か新たな投稿をしたい場合は、右下の「+」ボタンを押せば、画面の角を囲うように投稿する情報の種類が並び、選んで簡単に投稿することができる。
Pathにはタイムラインやそのコンテンツを見たことを示す「あしあと」のような機能が備わっており、さらに絵文字で反応を簡単に返すことができる。もちろんコメントもつけられるのだが、足跡や絵文字での反応は簡単かつ時間を取らないものになるだろう。
友達との密なコミュニケーション、ソーシャルメディアへのコンテンツのディストリビューション、そして素晴らしいユーザーインターフェース、そしてスマートフォンならではのプッシュ通知もカスタマイズできるPath。忙しい中でもソーシャルコミュニケーションを取りたいというニーズにぴったりであり、情報のコントロールもすっきりと解決してくれそうだ。
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