AT&Tは米国時間12月19日、390億ドルでのT-Mobile USA買収を断念すると述べた。
同社は、Deutsche Telekomに対する買収不成立時の違約金の一部として、第4四半期に40億ドルの費用を計上すると述べた。両社は、この違約金について、今回の買収の契約時に合意していた。この買収計画は、2011年3月に発表されていた。両社は、双方に利益を与えるローミング契約も締結する予定であるとAT&Tは述べた。
AT&TがいつまでT-Mobile買収に固執するつもりなのかについて、かなりの憶測が飛び交っていた。8月には、米司法省(DOJ)が買収を阻止するために訴訟を起こした。11月には、米連邦通信委員会(FCC)もこの買収に反対の意向を示した。DOJとFCCはともに、米国のワイヤレス電話業界における第2位と第4位の企業が合併すれば、競争が阻害されると述べていた。FCCはこの買収に関する報告書の中で、買収は大規模な解雇をもたらし、公共の利益に寄与しないとさえ述べた。
AT&Tは、T-Mobile買収を擁護する主張を繰り広げていたが、行き詰まった状況をはっきりと認識したようだ。同社は11月、FCCに対する承認申請を取り下げ、買収が適時に完了できない場合にDeutsche Telekomに違約金を支払うため、40億ドルを費用として計上することになりそうだと投資家らに伝えた。そして先週、AT&Tは、同社の独占禁止法違反に関する訴訟を担当する米連邦裁判所に対し、法的手続きを2012年1月中旬まで延期することを要請した。
AT&Tは、買収を成立させるためにT-Mobileの一部を手放してもよいと考えているという話も出ていた。同社はT-Mobileの資産の30%以上を売却するつもりだとする報道もあった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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