世界はわれわれが考えていたよりも少し小さい。
「6次の隔たり」の概念について、Facebookとミラノ大学は米国時間11月21日、世界にいる任意の2人を隔てる人の数は実際には平均で4.74人だとする調査結果を発表した。
Stanley Milgram氏は1967年、296人のボランティアを対象に「スモールワールド実験」を実施し、あらゆる2人の人物を隔てている人の数は平均で5.2人、つまり、6「ホップ」であることを突き止めた。しかし、Facebookの調査結果は、世界人口の10%以上に相当するFacebookの7億2100万人のアクティブユーザー全員を対象に1カ月をかけて推論された。
われわれはミラノ大学ウェブアルゴリズムラボで開発された最新のアルゴリズムを用いて、Facebook上のユーザーからなる全ペアを隔てる人の数を概算することができた。それにより、典型的なユーザーペアにおいて、2人を隔てる人の数が平均で6人というのは実際よりも多いことが分かった。全ユーザーペアの99.6%は5次のパス(6ホップ)でつながっているが、92%はわずか4次(5ホップ)でつながっている。
研究チームによると、単一の国に限定した場合、その平均値は3まで下がるという。
インターネットは人々がお互いにつながるのを支援してきたが、世界最大のソーシャルネットワークであるFacebookは自らも人々のつながりの強化に寄与してきたと自負している。
Facebookは今回の調査結果を発表するブログの中で、「Facebookが過去数年にわたり規模を拡大させ、世界人口に占めるユーザーの割合が増えるにしたがって、そのつながりは着実に強化されてきた。2008年の平均的な隔たりは5.28ホップだったが、今ではそれが4.74まで下がっている」と述べた。
しかし、Facebookは今回の調査とMilgram氏が実施した実験の間に相違があることを認めている。
Milgram氏も同じ疑問(あらゆる2人の人物は何人によって隔てられているか)が動機となったが、これらの数字は直接比較できるものではない、ということを指摘しておく必要がある。同氏の被験者はソーシャルネットワークについて限定的な知識しか持ち合わせていなかったが、われわれは全体的な事柄についてほぼ完全に把握している。われわれの測定法は本質的に、同氏の被験者が見つけられたであろう最短ルートを表している。
「6次の隔たり」という概念は、ハンガリーの作家Frigyes Karinthy氏が1929年に短編小説の中で初めて提唱したが、その後のJohn Guare氏による1990年の戯曲やその映画化により広く知られるようになった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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