スマホとグローバルに注力する新生「VOYAGE GROUP」

岩本有平 (編集部)2011年11月22日 16時43分

 VOYAGE GROUPは11月22日、社名変更後初めて、今後の事業方針について説明した。

 VOYAGE GROUPはもともと、1999年にアクシブドットコムとして創業。当初は懸賞サイト「MyID」を中心にしたメディア事業からスタートした。その後価格比較サイトの「ECナビ」を開設。同サイトを事業の中核に据えて2005年には社名も「ECナビ」に変更したという経緯がある。2005年にはリサーチ事業を、2008年にはアドテクノロジー事業をそれぞれ開始。その後もスマートフォンなどに事業領域を広げてきた。

VOYAGE GROUP代表取締役CEOの宇佐美進典氏
VOYAGE GROUP代表取締役CEOの宇佐美進典氏

 VOYAGE GROUP代表取締役CEOの宇佐美進典氏は、今回の社名変更で「人を軸にした事業開発会社」として改めて出発すると語る。「創業時からいろいろな事業を作り出すということを軸にしてやってきた。我々の強みは『事業開発会社』であること。また同時により人を軸にした会社にしていく」(宇佐美氏)

 同社ではこれまでに「EBI(エビ)」と呼ぶ社内事業プランコンテストや「CANI(カニ)」と呼ぶ改善提案の仕組みを導入するなどして、自由に事業を開発できる社内体制を作る一方、社内制度や社内設備、福利厚生などで人材の成長を促してきた。「人の成長が会社の成長に、会社の成長が人の成長になるようにしたい」(宇佐美氏)

  • アドテクノロジー関連事業などの成長で、メディア事業の売り上げは3分の1弱に

 同社の2011年9月期の売り上げは約79億円。事業別の比率はアドテクノロジー関連事業が45.0%、メディア事業は39.5%、リサーチ事業が14.7%。事業分野が拡大していく中で、これまで中心となっていたメディア事業の比率はすでに3分の1ほどになっている。これも今回の社名変更の理由の1つだったという。

 VOYAGE GROUPとして強化していくのは、スマートフォン関連事業だ。これまでにもVOYAGE GROUP、子会社のgenesixにてiPhone向け、Android向けのアプリを提供してきた。また子会社のZucksはスマートフォン向けのリワード広告やアドネットワーク事業を進めているほか、子会社のadingoではスマートフォン向けにオーディエンスターゲットプラットフォームやサプライサイドプラットフォーム(SSP)などを展開してきた。

 今後スマートフォン向けアプリについては、ネイティブアプリからスマートフォン向けウェブサービスへとシフトしていくとのことで、直近にもスマートフォン向けの新サービスを提供する予定だとした。

 また、グローバル展開ついても引き続き力を注ぐ。すでにリサーチ事業では中国や韓国、米国などに進出しているほか、アジア圏ではベンチャー企業(ベトナムのvatgia.com、baokim.vn)や、現地ベンチャーキャピタル(元ミクシィCTOの衛藤バタラ氏らが立ち上げたインドネシアのEast Ventures)への投資も進めている。今後はインドネシアにあるラボ施設を法人化し、アジア圏の情報収集や投資も強化していくという。

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