日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は8月29日、プリンタ製品のデモセンター「Imaging & Printing Solution Center」をオープンした。
同センターは、5月に構えたばかりの日本HPの新社屋内(東京都江東区大島)に設置。完全予約制となっている。「400平米という毎日展示会をやっているといっても過言ではない広さ。マシンのデモをするだけではなく、工程を含む提案の場」と日本HP取締役 執行役員 イメージング・プリンティング事業統括の挽野元氏は語る。
イメージングプリンティングビジネスには、(1)デジカメ写真やビジネス文書などの「コンテンツの急増」、(2)モバイル機器の拡大、(3)オフセット印刷機からデジタル印刷機などアナログからデジタルへの流れ、(4)「Snapfish」といったオンラインプリントなどの「サービス型ビジネス拡充」といった4つのトレンドがあるという。
HPは、PCやモバイル端末などのデバイスからクラウドなどのサービス、さらには個人から法人向けのプリンタ機器などのラインアップを強みとし、ITとプリンティング事業、クラウドソリューションなどをトータルで展開していく考えだ。
HPの調査によれば、世界で印刷されているページの90%は印刷事業者(PSP)によるものだという。PSPによる内訳を見ると、出版、パッケージ、マーケティングなどさまざまな用途があるが、オフセット印刷がほとんどで、デジタル印刷による印刷比率は5%以下だという。日本国内においても同様で、「およそ4兆ページの領域がアナログからデジタルに変わる可能性がある大きな市場」(挽野氏)と期待を寄せる。
これまで、デジタル印刷はオフセット印刷機に比べて品質がよくないという流れがあったが、印字品質の向上によりフォトアルバムではHP Indigoがシェアナンバーワンを獲得しているという。また、景気が上向かない中では小ロットの印刷が重要になっているとし、小口の印刷にも対応しやすいデジタルの強みをアピールしたい考えだ。
今回のImaging & Printing Solution Centerをはじめ、この領域への投資を積極的に今後も続けていくことで「ナンバーワンを確固たるものにしていく」と語った。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」