ソフトバンクモバイルは7月8日、5月25日に通信障害を発生させた容疑で業務委託先の元社員を逮捕したと発表した。監視と制御を行うサーバを経由し、基地局とネットワークセンターを結ぶためのATM伝送装置の回線設定データを改ざんした疑い。
5月25日、関西地域(大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県)において通信障害が発生。約7万2700人の利用者に影響が出た。外部からの不正アクセスの痕跡もなく、人為的事故の可能性があると思われたことから、障害発生の翌日5月26日に大阪府警に相談、6月6日に被害届を提出したという。
業務委託先の元社員が従事していたのは、関西ネットワークセンター(大阪市西区)での基地局とネットワークセンターを結ぶ伝送装置のデータ設定業務。業務に使用していた制御用端末に不正プログラムを入力してATM伝送装置の回線設定データを改ざんし、携帯電話用の基地局を停波させた疑いがある。なお、同業務委託先の元社員は、3月15日に、体調不良を理由に業務委託先を退職しているという。
再発防止策として、入室者の監視と操作端末の操作者を視認できるよう、監視カメラの設置台数を現在の252台から1170台まで増設する。また、操作履歴を収集できる端末を拡大し、ネットワークセンターにある保守運用端末の操作履歴についても収集できるようにしたという。端末の操作の追跡を容易にし、監視していることを周知することで不正操作を抑止するとしている。
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