日本IBMは7月6日、開発環境基盤「IBM Rational」の新製品5つを発表し、出荷を開始した。要求から開発、テストまでのソフトウェア開発ライフサイクル全体でチームメンバーが成果物や進捗状況を共有してスムーズに協働で作業する「コラボレーティブ・ライフサイクル・マネージメント」を実現する3つの最新版と、設計に関する情報を開発メンバーと共有する「コラボレーティブ・デザイン・マネージメント」を実現する2つの新製品。新製品はすべて同社のソフトウェア開発技術基盤「Jazz」に準拠している。
コラボレーティブ・ライフサイクル・マネージメントの最新版は、要求定義を改善、効率化する「IBM Rational Requirements Composer」(1ユーザーあたりの税別価格61万9200円)、作業や構成を管理する「IBM Rational Team Concert」(同62万2100円)、テストと品質を管理する「IBM Rational Quality Manager」(同75万7900円)の3つ。シームレスに統合し、同一の画面から連携できるようにした。要求から開発、テストまでの開発ライフサイクルのすべての段階のデータに関連メンバーがアクセスできるようになり、作業に関連する情報や背景となる情報を共有することで生産性が向上するとしている。
複数ツールを統合するオープンな基盤技術「OSLC(Open Services for Lifecycle Collaboration)」を活用し、オフィスツールや他社製ソフトウェアなど既存のツールと連携させ、コラボレーティブ・ライフサイクル・マネージメントを拡張できるという。
Rational Team ConcertにIBMのソーシャルソフトウェア「IBM Connections」の機能を統合することで、Wikiやブログなどの機能を活用して、開発者以外との協働作業が可能になるという。新しい価値の創造に役立てることが容易になるともしている。
コラボレーティブ・デザイン・マネージメントでは、組込開発向けの設計管理ツール「IBM Rational Rhapsody Design Manager」(同25万7400円)、システム開発向けの設計管理ツール「Rational Software Architect Design Manager」(同25万7400円)の2つを加えた。開発メンバー間のコミュニケーションを促進し、関連する多様な設計要素を統合することで設計開発の効率化、品質向上を図るとしている。
設計リーダーは、ブラウザに設計図や設計要素を表示させ、ブラウザ上で図やコメントを付与し、設計担当者にレビュー結果を伝えられる。一方、設計担当者は既存の設計ツール「Rational Rhapsody」と「Rational Software Architect」を使い、設計リーダーの指示をリアルタイムに受け取り、設計要素を編集できるという。ブラウザから設計要素を検索、ある要素を変更する際に影響を受ける設計要素を分析することもできる。遠隔地での作業者とも適時に設計情報をすり合わせることで、品質の向上が見込めるとしている。
OSLCを活用することで、コラボレーティブ・ライフサイクル・マネージメントとも連携できるという。設計に対して要求、開発、テストを紐づけることで、設計に対して品質を確保するテストを定義できているかなど、開発ライフサイクル全体のトレーサビリティーを確保する。開発ライフサイクルでのコラボレーション領域を設計にも広げられるとしている。
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