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日本人が現金払いに執着する理由--電子決済普及ポイントをビザが調査

坂本純子 (編集部)2011年07月05日 18時58分
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 ビザ・ワールドワイドは7月5日、2400名を対象にしたインターネット調査をもとに、日本人の電子マネーや現金観などに関する分析結果を発表した。ビザと早稲田大学 商学学術院 恩蔵直人教授と共同で行ったもの。

強盗の防止、震災での損失防止--電子決済のメリット

  • ビザ・ワールドワイド 代表取締役の岡本和彦氏

 ビザ・ワールドワイドの代表取締役である岡本和彦氏は、「(自身が)この業界に入って20年経つが、日本はなぜ現金への依存が続くのか不思議に思っていた。電子決済の普及はいろいろなメリットがある。タクシーの支払いが現金でなくなったら強盗は起きない。震災でも現金の損失が多くあったと聞いているが、デジタルな通貨で預金化されていればそういうことも生じない。電子決済は利便性が高いものと固く信じている。ビザとしては(普及に向けて)まだ足りないところがある」と語った。

 調査結果によれば、2010年における消費支出に占めるクレジットカードの割合は10%、デビットカードは0.3%という。米国ではクレジットカードが24%、デビットカードは21%だという。先進国の中でも、クレジットカードなど電子決済の利用率が低く、現金の利用率が高い理由について調査した。

「利用している」「利用したい」--電子決済派は6割

  • 早稲田大学 商学学術院 恩蔵直人教授

 今回の調査によれば、日本人の決済手段は現金ユーザー(主な決済手段が現金)は6割、電子決済ユーザー(主な決済手段が電子決済)が4割だという。現在の主な決済手段と、本来利用したいと思っている決済手段を合わせると電子決済派が6割となり、逆転するとした。

 現在の主な決済手段は現金ユーザーでありながら、電子決済に移行したいと考える「電子決済予備軍」も25.6%存在するという。電子決済予備軍は、「小銭がかさばる」「ATMに行くのが面倒」といったストレスを感じている一方で、カード支出やセキュリティに関する不安も同時に抱えているとした。

  • 決済手段に関する利用実態と利用意向

  • 電子決済派と現金決済派の利用実態と意向

  • 各グループの概要

決済手段の認知向上と賢い使い方の啓蒙がポイントに

 電子決済予備軍を対象にした電子決済の知識調査では、第3者に不正利用された場合に被害金額をカード発行会社が補償することを知っている人は43.6%で、「セキュリティに関する基本知識がさほど知られていないことも普及が進まない一因」とした。

 電子決済への移行願望のない「現金依存派(34.5%)」と、今後も継続して電子決済を使いたいと考える「電子決済活用派(34.3%)」の2つのグループがほぼ同数。現金依存派のうち61.6%は、10万円の商品を購入する際にも現金を利用し、電子決済活用派の32.6%はわずか数百円の買い物でも電子決済を利用しているという。

 電子決済については、電子決済=クレジットカードという認識が強く、SuicaやFeliCaのような「前払い式」のプリペイド型、デビットカードのような「即時払い式」クレジットカードや後払い式電子マネーなどの「後払い式」といった決済手段の種類があることは十分に認識されていない。

 電子決済のさらなる浸透に向けては、クレジットカード以外の決済手段の認知向上が必要で、クレジットカードを含む電子決済全般の賢い使い方や、適切な管理方法に関する理解と促進がポイントになるとした。

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