ソフトバンク、自然エネルギー事業進出へ--株主総会で定款変更を承認

岩本有平 (編集部)2011年06月24日 21時21分
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 ソフトバンクは6月24日、第31回株主総会を開催した。東日本大震災以降、ソフトバンク代表取締役の孫正義氏が掲げてきた自然エネルギーへの参入に向けた定款の追加などが承認された。

 総会ではまず、2011年3月期決算の概要が動画で紹介された。売上高は前期比9%増の3兆2000億円となり、初の3兆円越えを実現。経常利益も2期連続で最高益を更新。営業利益については6期連続での最高益を実現した。フリーキャッシュフローも前期比44%増の5613億円と増加。順有利子負債も2011年3月期には2006年の半分である1兆2000億円となる見込みだという。

 基地局については、ボーダフォン時代から6倍の12万局を突破したと説明。累計契約数もボーダフォン時代から7割増となる2540万人となったと説明した。

 また、東日本大震災の際には、震災発生時にUstreamで震災関連番組を配信。その総視聴回数は6800万回に上ったことや、基地局の復旧作業が5月9日時点で完了した旨などを紹介した。今後は、2011年以降、2年で合計1兆円の設備投資を行う予定だという。

 iPhone、iPadの好調ぶりも紹介。スマートフォン市場、スマートパッド市場をけん引しているとアピール。今後も両製品を中心にモバイルインターネット市場のリーダーを目指すとした。また、アリババやSynacast Corporationの「PPTV」などアジア圏での連携も紹介。アジアのインターネット市場についても積極的に狙っていく姿勢を示した。

 モバイル事業については、NTTドコモ、KDDI(au)の競合2社を引き合いに出し、連結営業利益率でナンバーワンになったことを説明。さらに1契約あたりのデータ収入でもauを抜き2位となったと語った。

 2010年に会社更生手続きを出したウィルコムについては、ソフトバンク傘下となって以降、契約者数を回復。5月には、ウィルコムとしては14年ぶりとなる月間10万契約超を達成。ソフトバンクモバイルとウィルコムを合わせた累計契約数は3000万契約に上るとした。「(ボーダフォンの買収で)真っ逆さまに落ちている会社でも、救済できる可能性があると証明した。一度あることは二度ある」(孫氏)

 ここで孫氏は事前にTwitterで募集したという質問の一部に回答する形で、設備投資や成長戦略について説明した。

 前述の2年で1兆円の設備投資については、移動基地局100台、可搬型衛星基地局200台を配備するほか、災害拠点病院や県庁、役場など重要エリアにおいて、バッテリ24時間対応の基地局2200局を新設するという。「1契約あたりの設備投資は世界一になる」(孫氏)。

 また、周波数割当について、「言い訳をするなといわれるが、実際競合他社は電波の届きやすい800MHz帯の許認可を持っている」と批判。アナログテレビの放送終了により空く700MHz帯や800MHz帯の再編により空く900MHzの許認可について「文句をではなく、正当な意見として、当然次は我々の(許認可が下りる)番。そうでないと平等ではない。許認可が取れれば電波が届きにくいソフトバンクの汚名を晴らす」(孫氏)とした。

 今後の成長戦略については、iPhoneやiPadが「強い武器」(孫氏)になるとした。iPhoneについては、カラーや容量を別カウントしなければ、新規のスマートフォン販売台数でも常に1位だと主張。また新規ユーザーの53%が女性、50歳以上のユーザーが2008年度の15倍と増加しているという。iPadも、5月のスマートパッド市場においてシェア94%に上る。

 孫氏は2010年に、ソフトバンクの今後30年の計画として「新30年ビジョン」を打ち出している。この進ちょくについても説明がなされた。

 5000社規模を目標とする戦略的シナジーグループは、前述のSynacastをはじめ、スタートトゥデイや吉本興業など、約900社まで拡大。時価総額200兆円企業という目標については、現在の3兆3000億円であることを説明。「これまでも短期的に目標を下回ることはあっても、中長期で立てた計画では一度も下回ったことはない」(孫氏)とし、順調であることをアピールした。

 さらに、自然エネルギー事業については、「情報革命だけで人々を幸せにできると思っていたが、3月11日の震災で人生とは、会社とは何かと、いろんなことを考えさせられた。電波がつながらなかったために失われた命もあるかもしれないと考えると胸が痛い。まだ被災者は苦しんでおり、放射能の脅威もある」と参入に至る経緯を説明。あらためて自然エネルギーによる発電事業を行えるよう、定款の変更について理解を求めた。

 また、自然エネルギーの普及促進に向け、自然エネルギー協議会を設立。7月開催の会合には、現在34都道府県知事が参加を表明しているという。「『菅孫』と言われるが、私は(与党が)何党でも構わない。原発をゼロにするかどうかは別として、モデルケースを作りたい」(孫氏)。3月11日の朝に閣議を通りながら、その後審議が進まない再生エネルギー法案(再生エネルギー特措法案)については「民間で作れるならやるが、法律を作る権限は国会議員にしかない」と語気を荒げた。

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