Microsoftの最高経営責任者(CEO)、Steve Ballmer氏は現地時間5月23日に日本で開催した開発者向けカンファレンス「Developer Forum 2011」で、次期Windowsを「Windows 8」と呼び、次世代のWindowsシステムが2012年に登場予定であると語った。
MicrosoftのWindowsの歴史に詳しくない人にしてみれば、「それがどうした?」と思うかもしれない。しかし、Microsoftの幹部はこれまで、次期Windowsについて名称や登場時期について触れることを必死になって回避し、製品の詳細が取り上げられないように務めてきた。Microsoftの幹部は公式の場で次期Windowsを「Windows 8」と呼ぶことを避け、「Windows Next」と呼ぶことが多かった(だが、社内では、Microsoftの多数の求人やリークしたスライドで「Windows 8」という言葉は使われていた)。
Microsoftは、Ballmer氏が東京でWindows 8について以下のように述べたと報告している。
社内ではWindows次期版の開発を精力的に進めているところだ。「Windows 7」を搭載したPCの出荷台数は2011年、3億5000万台を上回る見込みだ。Windows 7でわれわれは、顧客満足度改善のためにさまざまなことを行った。新しいユーザーインターフェースを作成し、タッチ、インク、音声を加えた。そして、来年登場する次の世代のWindowsシステムでは、さらにいろいろな機能を加える。今後取り組みを進めていく中で、Windows 8に関する多くの情報が出てくるだろう。Windows 8搭載スレート、タブレット、PCなど、さまざまなフォームファクタがある。
Ballmer氏の言葉を解釈すると、Windows 8を搭載したスレートとタブレットを分けて言及している点は興味深い。2010年、Microsoftは「Windows Embedded Compact」をスレート向けのOSとし、(コンテンツの)作成よりも消費に適した端末向けとしていた。
もう1つ興味深いのが、2012年に登場する「次世代のWindowsシステム」がWindows 8であるとは明言していない点だ(MicrosoftがWindows 8ベースのノートPC、PCとは別に、ARMベースのタブレットを用意するといううわさがある--Microsoftウォッチャーの中には、Windows 8搭載タブレットは他のエディションよりも先に登場すると見ている人もいれば、他のエディションの後に出荷になると見る人もおり、意見が分かれている。わたしは情報筋より、MicrosoftはWindows 8の全てのエディションを同時に提供すると聞いた)。
Windows部門を率いる社長のSteven Sinofsky氏は5月31日にスタートするD: All Things Digitalカンファレンスでスピーチを行うことになっており、ここでWindows 8の社内ビルドを披露すると多くが予想している。
Microsoftは9月中旬にカリフォルニア州アナハイムで開催する開発者向けカンファレンスで、Windows 8の初のテクノロジープレビューまたはベータを公開することになっている。うわさでは、Windows 8は2012年中ごろにRTMとなり、その年の年末商戦に小売店に登場すると見込まれている。
更新情報:Microsoftの「オフィシャルな」回答によると、Ballmer氏の発言通りにはゆかなさそうだ・・・以下が同社広報担当からの回答である。
「間違った発言があったようだ。われわれは、次期会計年度に登場する次世代のWindows 7搭載ハードウェアの登場を楽しみにしている。これまでにわれわれは次期版Windowsの名称や時期について何も発表していない」
この発言はいかようにもとれる。次期Windowsとしてリリースされるのが刷新された「Windows 7」だというのか。Windows 8が次期Windowsの名称ではないというのか。読者の判断に委ねたい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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