シャープは5月20日、スマートフォン事業説明会を開催した。各通信事業者からは、2011夏モデルとして数多くのスマートフォンが発表されている。シャープ製端末の特徴や今後の戦略などを説明した。
会場では、シャープ 通信システム事業本部 本部長の大畠昌巳氏が市場動向を説明した。「国内のスマートフォンのシェアは、全体で2011年度は40.6%、2012年度には過半数を突破することが予想されている。そのうち、Android OSのシェアは、2009年には10.7%だったのが、2010年度には57.4%と一気に過半数を超える」とし、急速にスマートフォンが拡大しているとした。
また、「求められる機能や操作性はフィーチャーフォンと変わらない」とし、「高機能を追求していきたいとは考えているが、普及期を迎えるにあたって基本的な部分の向上を目指す」とした。シャープは、Androidスマートフォン市場の急拡大に対応する一方で、スマートフォンの基本性能・機能へのユーザーの期待に応えようとしている。
国内でのシャープの状況は、「2010年は厳しい環境であったものの、6年連続で出荷台数1位を獲得できた。スマートフォンのシェアは2010年度下期に6モデルをラインアップし、出荷台数は200万台を突破、24.3%で2位となった。この勢いで、スマートフォンでシェア1位を目指すために、2011年度は新製品を投入していく」とした。さらに、2011年は500万台出荷を目指すことも明らかにした。
しかし、すでに各メーカーからスマートフォンが次々に登場してきている。そこで必要となるのが、他メーカーとの差別化だ。シャープは、(1)ブランドの提案、(2)液晶テレビ「AQUOS」との連携、(3)基本機能の強化、(4)サービス連携の強化の4点をポイントとする。
ブランド提案は、AQUOSとの連携機能、高画質エンジンを搭載したスマートフォンを「AQUOS PHONE」ブランドで展開する。2011夏モデル6機種は、すべて「AQUOS PHONE」となる。
AQUOSとの連携では、AQUOS PHONE内のコンテンツを無線LANを使ってAQUOSに表示させたり、AQUOSブルーレイ内のコンテンツをAQUOS PHONEで楽しめる機能を搭載した。今後、メール受信がAQUOSでわかる機能、写真を簡単にAQUOSで表示できる機能なども採用していく予定だ。
基本機能として、「SH-12C」「006SH」「IS12SH」に1.4GHzチップセット(SnapDragon)を搭載し、より高速化して使いやすくした。Android 2.3を搭載してスムーズな操作感を実現したほか、ワンセグ、おサイフケータイ、緊急地震速報といったフィーチャーフォンの機能にも対応している。
3D液晶は960×540ドットと前モデルよりも高精細になり、映像がリアルになるだけでなくクロストークも低減させている。さらに、800万画素のツインカメラを持ち、撮影の楽しみが広がるとした。
ユーザビリティ面では、使っていくと表示されているアイコンが使いやすくカスタマイズされる「TapFlow」を採用(007SHを除く)。「IS11SH」「007SH」では従来のケータイで慣れ親しんだテンキーを搭載することで、タッチパネルに慣れていないユーザーにもスマートフォンを使ってもらえるようにしている。さらに「SH-13C」は世界初のワイヤレス充電に対応させた。
シャープでは、サービスやコンテンツも端末の魅力のひとつと考え、電子書籍サービス「TSUTAYA GALAPAGOS」を全機種にプリインストール。TSUTAYA GALAPAGOSのコンテンツも進化させ、地方紙の拡充、アニメの配信を開始するほか、今後、動画などのマルチサービスを展開していく。
もちろんスマートフォンの展開は国内だけにとどまらない。海外にも積極的に展開し、中国市場へ3Dスマートフォンを投入するほか、いままでのケータイの操作性を踏襲したスマートフォンも提供する。中国以外にも、欧米、新興国にも展開していくことを目指すとした。
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