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起業家は「まず日本」でなく「世界」目指せ--孫泰蔵氏がSamurai Venture Summitで講演

岩本有平 (編集部)2011年05月19日 19時51分
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 「リーンスタートアップ」という言葉を聞いたことはあるだろうか? これは、米国の起業家であるEric Ries氏が提唱したもので、アジャイル開発やフリーソフト、オープンソースソフトなどを組み合わせ、大規模な資金調達などを行わず、すばやくサービスを立ち上げ、ユーザーのニーズにあわせてサービスを柔軟に変更していくというビジネス手法だ。

 日本でも、少人数、少額の資本ですばやくサービスを立ち上げる起業家が増えており、同時に彼らを支援するインキュベーターも増えつつある。

 サムライインキュベートはそんなインキュベーターの1社だ。スタートアップ企業や起業志向のある学生や社会人に対して最初の運営資金となる数百万円程度の出資を行うファンドを運営するほか、起業やその支援者を対象とするイベントなどを行っている。

サムライインキュベート代表取締役CEOの榊原健太郎氏 サムライインキュベート代表取締役CEOの榊原健太郎氏。イベントはマイクではなく、拡声器を使って進められた

 同社は4月、イベント「第3回Samurai Venture Summit~若き野心、世界へseason2~(SVS)」を開催した。会場となった東京代官山のビルでは、3つのフロアで、起業家や投資家らによるセッションやデモ、展示などが繰り広げられた。ここではその中からMOVIDA JAPAN代表取締役などを務める孫泰蔵氏の基調講演の様子を紹介する。

 前回のSVSでも基調講演を行ったという孫氏。前回の講演を振り返る形で、まず起業家の姿勢について「楽観的であるべき」と語る。さまざまなプレッシャーと戦う起業家が、ネガティブなことを表に出さず、楽観的になるのは難しい。そこで孫氏は「失うものはない、どうせやるなら楽しくやろう、と考える。ここまでやれば、たとえうまくいかなくてもそれまで得られた経験や出会い、ノウハウにも価値がある。そう思えばビジネスで攻められるはず」(孫氏)

孫泰蔵氏 孫泰蔵氏

 また、世界を狙う起業家に必要な心構えとして、英語でサービスを提供することの重要性を説く。「まず日本で成功してから、海外へ」と語る起業家はいるが、日本でまだ成功していない時点でこういったことを語るのではなく、サービスも英語版から出す、もしくは日本語版と英語版を同時に提供していくべきだという。

 さらに、「Think Big」「Different」「Convincing」「Simple」「Logical」「5year-lasting-service」といったキーワードで、世界で勝負するために持つべき視点を説明する。

 たとえ現時点で実現していなくとも、「世界で成功する、世界を変える」という意識を持ち続け(Think Big)、ほかのプレーヤーと違うことをする(Different)。また、なぜ自分たちのサービスがおもしろいのか、インパクトがあるのかということをユーザーや投資家らに説得できる必要がある(Convincing)。

 さらに言語や環境の壁を越えて「おもしろい」「便利だ」と思えるシンプルなものでないといけない(Simple)し、論理的に理解できるものでないといけない(Logical)。加えて、サービスを提供する現在ではなく、5年先を見据えた設計が必要になる(5year-lasting-service)。「Gmailは2005年にサービスインした。当時、ウェブメーラの容量はせいぜい数十から数百Mバイト。そんな中で2Gバイトの容量を用意したことでユーザーは驚いた。こういったことはなかなかできない」(孫氏)

 イベントには、約300名の起業家や起業志向者が集まった。またサムライインキュベートでは第4回SVSを9月17日に開催するとしている。開催場所などは未定。申し込みについては、同社サイトを参照のこと。

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