日本電気、NECパーソナルプロダクツは5月16日、個人向けPC「LaVie」「VALUESTAR」シリーズの新製品を発表した。
発表された製品は、ノートPCのLaVieシリーズとデスクトップPCのVALUESTARを合わせ7シリーズ47モデル。夏モデルの特徴としては「1台4役パソコン」としてPC、テレビ、レコーダー、オーディオ機能を強化したほか、節電機能の推進、コンテンツのリッチ化に伴う「基本性能の向上」を掲げた。
発表会では、特別ゲストとして「地デジカ」が登場。地デジ対応PCの前で地上デジタル放送のアピールも行った。NECではデジタル放送の登場以前からTVチューナを展開しており、アナログ放送向けTV機能を持ったPCの買い替えも狙っている。
特に力を入れているのはTV機能だ。市販のBlu-ray Discタイトルを携帯機器で外部持ち出しのできる「e-move」への対応やデジタル放送の3D対応モデルの拡充、新たにNTT「ひかりTV」のワイヤレス接続に対応した。
また、HDDの録画可能時間が約12倍になるという「最大12倍録画」をVALUESTAR Wに搭載した。最大録画時間が2164時間。BDXL対応のBlu-ray Discを用いることでディスク1枚にハイビジョン画質のまま約12時間の録画も可能となり、1クールのドラマがハイビジョン画質のまま1枚のディスクに収録できる計算となる。
3D表示はLaVie Lの「LL770/ES」とVALUESTAR Wの「VW970/ES」、VALUESTAR Nの「VN790/ES」、VALUESTAR L「VL750/ES」が対応。ホームネットワークにつながった3D非対応のDLNAおよびDTCP-IP対応のレコーダーに録画した3Dタイトルを、ネットワーク経由で3D表示できる機能や、2Dの映像を3D立体表示に変換して再生する機能などを搭載する。
そのほか、TV機能ではTV視聴中のウェブ検索機能や、おまかせ録画機能の拡充、外付けHDD録画機能などを搭載した。
一方、昨今の節電意識の高まりについては節電状況がわかる「ECOみえグラフ」の搭載機種を拡大することで対応、従来は上位機種が中心だったものを3タイプ26モデルに拡大して搭載。節電設定のできる「ECOボタン」の装備なども拡大している。
発表会場では実際に5年前の機種と今回の新機種を並べ、消費電力の差をアピールした。5年前の同社商品(Windows XP搭載)に比べ、高機能や高性能化を図りながら消費電力を約60%低減したという。節電という側面からも最新機種への買い替えを推進していくという。
今回、新機種の説明を行ったのはNECパーソナルプロダクツ PC事業本部 商品企画開発本部長代理の栗山浩一氏。栗山氏は「コンシューマーの4割がXPパソコンを使っている」とし、買い替え需要の存在を示した。
すでにWindows XP搭載の最終モデルを登場させてからおよそ5年が経過するため、5年を買い替えサイクルとすれば、アナログ放送が終了する2011年は、地デジ化を含めた買い替え需要が発生する。
また、買い替えるPCは長く使えるワンランク上の性能が必要だとし、夏モデルでこだわった点の「基本性能の大幅向上」も挙げた。
節電機能については、震災の影響等でエコ意識の高まりがあったとし、節電機能の搭載機種も拡大した。これは震災後に行われたものではなく、NEC自体が何年も前から取り組んでいたものだという。
また、レノボとの合弁事業についても触れ、「生産のボリュームの拡大効果によって、新しい製品の創出を加速していくことがNECに求められたミッションである」とし、今後も国内シェアNo.1を維持していく考えを示した。レノボとの商品展開の調整については「新会社の設立前なので、擦り合わせるステージではない」とし、現時点ではNECとしての製品ラインアップを維持していくことを強調した。
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