サイバーエージェント、Amebaのオープン化戦略とは

鳴海淳義 (編集部)2011年04月27日 17時31分

 サイバーエージェントがコミュニティサイト「Ameba」のスマートフォン向けプラットフォーム「Ameba Smartphone Platform」を開発し、一部デベロッパーに対して開放する。サイバーエージェント技術部門 執行役員の長瀬慶重氏が日経BP社主催のイベント「スマートフォン2011 春」に登壇し、オープン化戦略について語った。

  • サイバーエージェント技術部門 執行役員の長瀬慶重氏

 Ameba Smartphone Platformは、外部のアプリケーションデベロッパーがAmebaのAPIを利用して、スマートフォン版Amebaにゲームなどを提供できるようにする仕組み。

 サイバーエージェントが提供する主なAPIは、ソーシャルゲームの要素を組み込むための「ソーシャルゲーム開発API」、mixiやTwitter、Facebookなど国内外のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)と連携するための「ソーシャルメディア連携API」、Amebaの各サービスと連携するための「Ameba連携API」の3種類。

 また、サイバーエージェントはアプリケーションデベロッパーに対し、プロモーション支援と収益支援を提供する。

 プロモーション支援については、サイバーエージェントが運営するウェブサイトとアプリの媒体力を活用する。「スマートフォンアプリがこれまでの携帯電話向けアプリと大きく違うのは、いいアプリをつくっても強烈な集客エンジンがないこと」だと長瀬氏は語る。そこでAmebaの媒体規模を活かしたプロモーションを提供。月間8億PVのウェブ閲覧画面や月間ユニークユーザー60万人のマイページ、合計100万件ダウンロードされているスマートフォンアプリに誘導枠を設置する。Amebaのオープン化と同時に独自のAndoridアプリマーケットの開設も進める。

 マネタイズ支援では、課金収益と広告収益の両方に対応する。まずは広告モデルを立ち上げることを優先し、スマートフォン向けアドネットワークとリワード広告をアプリケーションデベロッパーが利用できるようにする。

 4月4日にはスマートフォン向けアドネットワーク事業を展開する会社をディー・エヌ・エーとの合弁会社として設立すると発表した。リワード広告についてはサイバーエージェントグループにリワード広告を専門に扱うCAリワードという会社がある。

 「サイバーエージェントはグループをあげてスマートフォン事業を各ドメインに展開している。デベロッパーにはノウハウが蓄積された、収益性の高いアドネットワークのソリューションを提供できる。必ずスマートフォン市場を作っていきたい」(長瀬氏)

 海外展開も視野に入れている。CyberAgent Americaが海外で提供するiPhone向けソーシャルゲームプラットフォーム「GameWave」は、Ameba Smartphone Platformと同じくパンカクのスマートフォン向けSDK「Pankia」をベースに開発された。将来的にはAmebaに提供したアプリを海外にも展開できるようになる見込みだ。

 長瀬氏は、スマートフォン向けメディアとスマートフォン向けアドネットワークで国内1位になること、2011年に内製アプリを100本ヒットさせることを目指すと宣言した。

 「スマートフォン市場のすべての事業ドメインに挑戦する。今年はサイバーエージェントにとってスマートフォン元年。飛躍的な成功をおさめたい」(長瀬氏)

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