「有料の壁」から「Likeの壁」へ--Facebookを使ったマーケティングとその弊害 - (page 2)

Rafe Needleman (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年05月12日 07時45分

 第一に、これはFacebookとそのユーザーにとって良くないことだ。Like機能の価値が下がってしまう。オンラインの小さな特典ほしさに製品のLikeボタンが押されることが増えているため、友人のお勧めを信頼できなくなりつつある。

 第二に、これは不公平なことだ。Likeの価値は人によって大きく異なる。筆者のLikeはマーケッターにとってある程度価値があるものかもしれない。というのも、筆者はFacebook上で数百人の友人がおり、その友人がさまざまな層に属しているからだ。筆者よりもはるかに大きな価値を持つユーザーもいれば、価値が小さいユーザーもいるだろう。ではなぜ、筆者はほかのすべての人と同じくらい誠実さを犠牲にしなければならないのか。「広告塔」としての自分の価値に見合ったものにLikeボタンを押せるべきではないのか。それはどうすればうまくいくのだろうか(答えは「うまくいかない」だ)。

 膨大な数のマーケッターが自らのサービスを「バイラル的に拡散」させようとしていることは分かっている。自らのサービスが「FarmVille」の招待状のように広がることを誰もが望んでいる。しかし、バイラル性をオンラインユーザーに押しつけると、システム全体の価値が下がってしまう。それだけではない。Honestlyの最高経営責任者(CEO)であるPeter Kazanjy氏が筆者に話したように、「Facebookはソーシャル配信チャネルをコントロールしているという意味で、中央銀行のような存在だ」。Facebookが今よりも厳格にユーザーのメッセージをコントロールすることを、望んでいる人はいるのだろうか。

 誠実なLikeには存在意義がある。ユーザーは自発的にブランドTシャツを着るのと同じように、製品のLikeボタンを押すことができるべきだ。だが、ユーザーを不誠実な推奨を行う安っぽい広告塔にしてしまうことは避けた方がいい。そんなことをしても良い結果は得られないからだ。

Honestlyはユーザーとユーザーのレビューの間にLikeボタンを設置する実験を行っている。同社CEOは近いうちにLikeを回避するボタンを追加すると述べている。 Honestlyはユーザーとユーザーのレビューの間にLikeボタンを設置する実験を行っている。同社CEOは近いうちにLikeを回避するボタンを追加すると述べている。
提供:Screenshot by Rafe Needleman/CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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