フジテレビは4月18日、無料の動画コミュニティサイト「見参楽(みさんが!)」を開設した。フジテレビが制作したオリジナルの映像番組を、PCやNTTドコモの携帯電話、iTunesを経由したiPod、iPad、iPhone向けに配信する。2011年内にはAndroid端末にも対応する予定。
フジテレビは、2005年9月に地上波のドラマやバラエティ番組を有料で配信するサービス「フジテレビ On Demand」を開始した。その約半年後の2006年3月に、無料音声番組のポッドキャストサービス「フジポッド」を開始している。
当初は音声番組のみでスタートしたフジポッドだが、2009年からは動画番組の配信も開始、スマートフォンなど視聴可能なデバイスも普及したことからアクセス数が増加した。2010年にはコンテンツのダウンロード数が月間100万ダウンロードを突破し、広告主からの引き合いも増えたことから、見参楽のサービス開始にいたったという。
サイト名「見参楽」の由来は「『見』て、『参』加して、『楽』しめる」の頭文字を1文字ずつ取ったもの。著作権の問題などから、地上波のテレビ番組をそのまま放映することはできないため、サイト内の番組はすべてオリジナル作品となっている。番組のスポンサーによる広告費で制作される。
また見参楽では、視聴者の意見や要望を反映させた視聴者参加型の番組作りを重視するという。サービス開始時は、視聴者から送られてきた写真とまったく同じ位置やアングルの写真を撮影するために、俳優の大杉漣さんがぶらり旅に出かける「大杉漣の『漣☆写でGO!』」や、4人の若手女性声優が読者から寄せられたさまざまな企画に挑戦する「Say You Love!」など5番組を配信する予定。2011年内に20タイトルまで番組を拡充したいとしている。
会見に臨んだフジテレビ執行役員クリエイティブ事業局長の大多亮氏は、「ネットで勝負するといっても基本的には中身(コンテンツ)。携帯やPCなどそれぞれのメディア、デバイスにあった作品が必ずあると思っている。月9やゴールデンタイムのバラエティを見参楽で流しても人が集まるとは限らない」とコメント。
地上波では放映が難しいアダルトな内容の番組や、落語などテレビでそのまま放映しても視聴率が取りずらい番組など、「コアなファンのニーズをどれだけくみ取れるかが成功の鍵」と、新サービスへの意気込みを語った。
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