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スマートフォン利用者と“エンターテインメント”という新しい接触ポイント

アウンコンサルティング2011年04月15日 18時32分
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 2月25日のコムスコアの発表によると、2010年12月の段階で日本におけるスマートフォンユーザーは697万人となり、携帯電話ユーザー1億90万人のうち約7%がスマートフォンユーザーとなった。

 また、MM総研が出した予測データでは、2015年度には2030万台になるなど、拡大傾向が続くと予測される。

 その背景には、各キャリアのAndroidの取り扱いが急激に増えたことや、端末の価格競争などの影響が考えられる。携帯電話キャリア各社の今後の戦略については、NTT docomoは「スマートフォンもiモードも、“ネクストステージ”に」というキャッチフレーズを掲げ、徐々にスマートフォン向けの新サービスに注力していく戦略をとっている。

 KDDIはAndroidの拡張性の高さを背景に、“スマートフォンらしさとケータイらしさの融合”に取り組んでいる。ソフトバンクは引き続き最重点製品として、iPhoneを販売し続ける戦略で、今春商戦の主力商品は「iPhone 4」となっている。各社とも戦略は違っても、2011年から2012年にかけて本格的なスマートフォンビジネスへの注力が伺える。

 こうしたスマートフォン市場争いが、さらに熾烈を極める中で注目したいのが、拡大していくスマートフォン市場を、いかに上手く活用するかということだ。さまざまな活用の方法が考えられるが、今回はスマートフォンの特徴となる、「ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)との親和性」「スマートフォンアプリ」「スマートフォン対応サイト」の3つに焦点を当て、考えてみたい。

 まずは、「SNSとの親和性」から考えていきたい。オールアバウトが実施したiPhone購入者を対象にした利用実態調査では、iPhoneユーザーのうちソーシャルメディアを利用している割合は約75%で、そのうちTwitterを利用している割合が50%を超え、mixiはTwitterに次いで約40%で第2位という結果だった。

 またミクシィ調査によると、2010年1月~10月におけるスマートフォンからのmixiログイン推移数は右肩上がりとなっており、10月には100万人を突破した。上記によりSNSはスマートフォンとの親和性が高く、有意義なプロモーションの実現性も高いと言えるのではないだろうか。

 SNS活用の具体例としては、2011年2月28日に日本コカ・コーラが「GEORGIA」のプロモーションとして、Twitterを活用した「PASS THE GEORGIA」というソーシャルゲームがある。これは、TwitterユーザーからTwitterユーザーへ缶コーヒーを100回のパスで繋ぐことを目指したゲームとなっており、パスをするとパスした相手へTwitter上で“パスを送った”とツイートがされるのである。

 新規ユーザーへパスした際や、ツイートに気づいてからキャッチするまでの時間が短ければ、ボーナスポイントが加算されるため、新規ユーザーの獲得や、口コミでの広がりを促す仕組みとなっている。

 このように、SNSサイトを活用し、商品やサービスとの接触頻度を多くすることによって、企業への興味、関心を持ってもらい、プロモーションサイトへの送客に結びつけることが可能である。

 次に「スマートフォンアプリ」について考えていきたい。2011年3月現在、iPhone端末向けに出ているアプリは35万アプリ、Android端末向けは25万アプリが出ている。インプレスR&Dが発行した「ケータイ白書2010」によるとスマートフォンユーザーのうち98%がアプリをダウンロードしているという結果が出ている。

 逆説的に考えると、アプリを作らなければこれら98%のスマートフォンユーザーとの接触の機会をみすみす逃してしまうこととなるため、アプリを活用しない手はないだろう。アプリをうまく活用している例としては、「保険市場」が提供している「子育て人生22の選択」というiPhoneアプリがある。

 このアプリは子供を育てる人生ゲームになっており、1歳ごとのイベントにより、その都度、クイズやミニゲームそして保険の加入をしていく。アプリ内にはプロモーション要素はなく、保険詳細をより細かに確認する際に初めてプロモーションサイトに接続される。

 このような企業アプリからユーザーを獲得することができれば、今までとは別の切り口から、ユーザーを獲得できる可能性がある。また、自社アプリがユーザーのスマートフォンにダウンロードされるということは、ユーザーがスマートフォンを見るたびにその企業のアプリマークを目にすることとなるので、これも1つのプロモーションと言えるのではないだろうか。

 そして最後に、「スマートフォン対応サイト」の制作について考えていきたい。ケータイ白書2010によるとスマートフォンの魅力として、PC用ウェブサイトの閲覧可能が1位となっている。

 ただ、いくら閲覧が可能といっても、スマートフォン画面はPC画面と比べ非常に小さく、またiPhoneではFlashの閲覧が不可能である。つまり、スマートフォンからPCサイトを閲覧すると、そのサイトはユーザビリティーの悪いサイトとなってしまう可能性が高いのだ。

 そこで必要なのがスマートフォン対応サイトである。例えば、「Space ALC」のiPhone用サイトはiPhoneの特徴を上手く活用している。コンテンツを厳選し、少ないメニューで見やすく、タップしやすい大きさになっている上、画面上で指をスライドする際、サイコロのように画面が回転しながら切り代わるという工夫がある。このようなスマートフォン用サイトであれば、小さな画面で閲覧してもストレスなくサイトを閲覧でき、サイトの閲覧、利用頻度が高まると考えられる。

 ただし、スマートフォン用に制作した方がいいサイト、もしくは必要のないサイトは業種業態によって変わってくる。実店舗を持つような消費者向けサービスを提供している企業は、店舗情報のみをスマートフォン用サイトとして制作するケースが増えてきている。

 またケータイ白書2010によれば、スマートフォンの用途で個人利用と業務利用を兼ねているというユーザーが2008年は21.4%だったのに対し、2009年は35.2%へと伸びている。B to Bの企業であっても、IRや地図などはビジネスマンユーザーに見られていると考えられ、コンテンツの選定をした上で制作することをおすすめしたい。

 これらスマートフォンの特徴を活かしてプロモーションを行うことで、今までは広告からのみ集客していた顧客をエンタテインメントの側面から消費者との接触機会を持つことが可能となる。これにより、既存顧客をロイヤリティの高い顧客にすることや、新規顧客をゲーム感覚のSNSやアプリなどの新たな切り口から呼び込んだりすることが可能となる。急増しているスマートフォンユーザーに向け、対策をしてみてはいかがだろうか。

アウンコンサルティング

1998年6月設立。1999年、日本国内でいち早くSEOを事業化。検索エンジンマーケティング(SEM)の認知向上と市場の拡大に尽力し、上場企業を中心に多くの企業のマーケティング戦略を支援する。PCおよびモバイルのSEM支援で蓄積したナレッジを背景に、多言語でのSEMサービスへと展開。SEMを自社運用する企業向けのサービスも開始。日系企業の海外マーケティング支援も行うなど活動の幅を広げている。2005年11月東証マザーズ上場。絶えず変化する検索エンジンマーケティング動向を読み解き、SEOおよびSEMに関する動向を解説。著書「Search Engine Optimization 非常識なSEOの常識」

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