iSPP、ICTで被災地との情報ギャップ埋める活動

鳴海淳義 (編集部)2011年03月30日 17時58分

 3月29日、東日本大震災の被災者に対し、情報通信(ICT)でサポートを提供する団体「情報支援プロボノ・プラットフォーム(iSPP:仮)」の会合が開催された。

 iSPPは被災地と支援側の「情報ギャップ」を解消することを目指す。被災地のニーズにしたがって物資や人員を適正に配分するためには、その前提となる情報ネットワークが十分に機能するのが求められるからだ。

 iSPPの参加者は情報通信(ICT)に関係する企業、団体、NPO、個人などさまざま。各人が知識と技能、各種の資源を持ち寄って、被災地の支援活動を支える情報プラットフォームの構築、運用を提案し、実施する。

 29日に開かれた会合では、すでに進行しているプロジェクトの報告があった後、各プロジェクト間の連携の可能性が検討された。

 一般社団法人オープンストリートマップ・ファウンデーション・ジャパンという団体が運営する復興支援プラットフォーム「sinsai.info」は、各地から寄せられた震災情報を地図上にマッピングしているサイト。災害時のクラウドソーシングを実現するオープンソースソフトウェア「Ushahidi」を使って短時間で構築されたという。

 同じくオープンソースのツールに、災害時の救援物資、ボランティア、避難所などを管理できる「Sahana」がある。IBMはこのプロジェクトに対し、技術支援と翻訳支援を提供した。会合ではsinsai.infoとの連携が検討されることとなった。

 会合に参加していた千葉大学の教授は、福島県田村市を支援する「SAVE TAMURA」という取り組みを紹介した。千葉大学の学生が田村市という1地域に限定した情報支援を実施している。たとえば、ガソリンスタンドの在庫情報や医療施設の受付時間などを電話で聞き取ってTwitterで流すといったことを行っている。こうした情報もsinsai.infoと連携させたいという話に発展した。

 ほかにもクラウド事業者、テレコム事業者、スマートフォンアプリ開発会社、省庁関係者などが活発に意見を交わした。

 iSPP発足の中心人物となった多摩大学の会津泉氏は会合の最後に、iSPPの法人化に向けた取り組みを進めることを提案した。事務局機能を早急に整備し、プロジェクト間の連携を支援する考えだ。

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