ヴイエムウェアは3月9日、仮想化およびクラウド環境のサービス管理を自動化するソリューション「VMware vCenter Operations」を発表した。同ソリューションは、米VMwareが2010年8月31日付けで買収を発表したIntegrienの技術が基になっている。
ヴイエムウェア ストラテジックアライアンス 部長の名倉丈雄氏は、「インフラが巨大化すると、ストレージやネットワークなどの管理コンソールが増えてしまい、それぞれのユーザビリティも違うため、管理の負荷が高くなる。そこで、単一画面ですべての環境のパフォーマンスやキャパシティ、コンフィギュレーションなどが設定できることが理想だ」と、新製品開発に至った背景を語る。
VMware vCenter Operationsは、サーバ、ストレージ、ネットワークなどの物理コンポーネントや企業内の他の管理ツールからデータを収集、分析し、パフォーマンス管理、容量管理、構成の設定を支援する。具体的には、リアルタイムパフォーマンスダッシュボードにて問題が発生する前にプロアクティブに危険性を特定し、問題を判断したり、パフォーマンスや容量のリアルタイム分析機能でセルフサービスプロビジョニングができるようになる。
名倉氏は、「管理性を高めようとすると、システムからのアラート数がやたらと多くなり、うまく管理しきれず管理コスト増大につながってしまう。vCenter Operationsでは優先度の高いアラートのみ提示し、分析結果をビジュアル化して見せるため、管理者がアラートに対応しやすくなる」と説明する。ベータテスト期間中には、これまで1時間に400ものアラートが出ていた企業にて、アラート数が1カ月で20にまで激減し、管理者も12人から2人に減ったケースもあるとのことだ。
VMware vCenter Operationsは、「VMware vCenter Operations Standard」「VMware vCenter Operations Advanced」「VMware vCenter Operations Enterprise」の3つのエディションが用意されている。Standardエディションは仮想マシンが500以下の場合に最適で、Advancedエディションには「VMware vCenter Capacity IQ」が含まれる。Enterpriseエディションの日本市場での展開は2011年後半となるが、同エディションにはCapacity IQはもちろんのこと、「VMware vCenter Configuration Manager」も含まれるほか、IBMのTivoliやHewlett-PackardのOpenViewといった他社の管理ツールとの連携も可能だ。
StandardエディションおよびAdvancedエディションの出荷が開始されるのは3月後半。価格は、仮想マシンあたり6250円(市場予想価格)からとなっている。
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