JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)は2月28日、制御システムの構築や維持、運営に携わる関係者のためのセキュリティ簡易アセスメントツール「日本版SCADA Self Assessment Tool(SSAT)」の提供を開始したと発表した。JPCERT/CCの担当宛てにメールで申し込むことで無償で入手できる。
日本版SSATは、英国政府のCPNI(Centre for the Protection of National Infrastructure)が開発したSSATをベースに、質問項目や判定結果の表示などインターフェース部分を邦訳、日本の環境にあわせてチューニングを施した。制御システムの構成や運用上のセキュリティ面での問題点の洗い出しに役立てられるという。
Excelベースとなっており、100程度の管理項目に関する設問に対して調査対象システムの状況を回答することで、改善すべき問題を“見える化”できるという。ベンダーと連携した計画的な対策導入にも役立てられるとしている。各質問項目が日本の現場で使われている言葉でわかりやすく表現されており、日本版SSATを利用する担当者はJPCERT/CCのウェブサイトで公開中の「グッド・プラクティス・ガイド」と併用することで、必要なセキュリティ対策について、より深い理解を得ることが可能としている。
チューニングでは、計測自動制御学会(SICE)の計測・制御ネットワーク部会セキュリティ情報共有検討ワーキンググループ、電子情報技術産業協会(JEITA)の制御・エネルギー管理専門委員会安全・安心システムワーキンググループ、日本電気計測器工業会(JEMIMA)のPA・FA 計測制御委員会セキュリティ調査研究ワーキンググループから全面的な協力を得ている。
JPCERT/CCでは、制御システムの現場で、どこからセキュリティ対策に着手すればいいか戸惑っている担当者に、改善に向けた実効性ある第一歩を踏み出すための指針を与えるものと期待しているという。
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