「暗号便」は、最大200Mバイトの大容量ファイルを相手に送ることができる、いわゆるファイル送信サービスだ。同種のサービスが複数存在する中、この「暗号便」の大きな特徴は、多彩な通知方法を持つことと、公開鍵を用いたセキュアなファイルの受け渡しが可能なことだ。
まずは最も簡単な送信方法。トップページから「いますぐファイル送信」を選択し、利用規約に同意したのちファイルをアップロードすると、画面の右側にアップロード済みファイルのURLが表示される。これをメールなどに貼り付けて相手に送れば、会員登録やログインの手間などは一切なく、送信が完了する。ダウンロード可能な回数は2回、保存期間は24時間だ。URLを自前のメールに貼り付けて送るだけでなく、サイト上からURL通知メールを送信することも可能だ。
会員登録をして利用すると、送受信履歴が利用できるほか、相手が受信したかどうかを確認することも可能になる。またパスワードを設定することにより、24時間だった保存期間は5日に延長される。さらにTwitterと連携し、保管先URLをDMなどで通知することも可能になるなど、ソーシャル連携機能もほかのサービスには見られない特徴だ。
また、最大200Mバイトのファイルを保管できるマイフォルダ機能も用意されている。よく利用するファイルをこのマイフォルダに保管しておけば、リクエストがあるたびにいちいちアップロードする手間をかけずに、相手にファイルを渡すことができる。問い合わせがあるたびに同じファイルを配布する用途に便利だ。
さらに本サービスは、公開鍵を利用した暗号化送信をサポートしている。会員登録後に公開鍵ファイルを生成し、それらを配布することでセキュアな送信を実現する機能は、ほかのファイル転送サービスにはない大きな特徴だ。フリーで利用できるサービスにどの程度のセキュリティを求めるかは別として、同種サービスの中にはSSLすら用意されていない場合もある中、これら強力なセキュリティ機能は本サービスの大きな特徴になっている。
難点として挙げられるのは、機能が多彩すぎてサービスの全貌が見えにくいこと。ユーザビリティ的にやや誤解しがちな表示もあるため、意図しないメニューをクリックしてしまうこともしばしばだ。また、ほかのファイル転送サービスに比べると、サイト上からのURL通知メールが着信するまでに、ややタイムラグがあることが気になった。機能の豊富さではピカイチなだけに、こうした使い勝手の部分が改善されれば、さらに支持を集めることができそうだ。
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