Quarkは2月23日、DTPソフト「QuarkXPress」の最新版となる「QuarkXPress 9」を発表した。4月より出荷を開始する予定。価格は9万7650円、QuarkXPress 8 およびQuarkXPress 6からのアップグレードは3万2550円。Quarkの正規販売代理店およびQuark Storeで購入できる。
最新版では電子出版向けの機能を大幅に強化した。Quarkではすでに法人向け出版ソリューション「Quark Publishing System(QPS)」用に、電子書籍作成ツール「QPS 8.5 App Studio」を提供しているが、今回新たなツール「App Studio for QuarkXPress」を提供する。
App Studio for QuarkXPressを利用すれば、QuarkXPressで作成したコンテンツをiPad向けに出力可能になる。ノンプログラミングでスライドショーやマルチメディアプレーヤーの埋め込みなどが可能なため、インタラクティブなコンテンツを容易に作成できるという。コンテンツはリーダーと組み合わせて、App Storeでの配布が可能。今後90日以内に無償提供される予定となっている。
App Studio for QuarkXPress作成されるコンテンツは、PDFやXMLなどのファイルで構成される。文字はベクタ形式になっているため、拡大しても鮮明なままだという。
また、海外での採用実績も多い電子書籍リーダーアプリ「Blio eReader」向けの出力にも対応。Android向けのアプリケーション作成についても90日以内に対応するとしている。EEPUB形式での書き出しも可能で、コンテンツの構造を元に、EPUBの目次も自動生成できる。
Quarkでは、ほぼ2年周期で製品のバージョンアップを行っているという。「他社は1年周期でバージョンアップしているが、Quarkは必ず古いバージョンの資産を新しいバージョンで使えるということを重視している。バージョン3、4を使っていた企業が最も多いが、その際の資産をどう活用し、マネタイズできるのかという課題にこたえる」(クォークジャパン代表取締役の山下進一氏)
Quarkが提唱する出版プラットフォーム「Quark Dynamic Publishing」は、Quark製品に限らず、Adobe Creative SuiteやMicrosoft Officeなどさまざまなツールで作成されたコンテンツをQPSで管理し、ウェブやスマートフォンといったさまざまなデバイス、スクリーンに最適化して出すというもの。「Quarkはあくまでツールやソリューションを提供するだけ。自由にシステムを使ってもらえばいい。ユーザーのニーズを聞いた上でサポートしていく」(山下氏)。2010年11月には、リクルートメディアコミュニケーションズがQPSを中心とした同社のソリューションを導入している。
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