今週(2011年2月14日週)もさまざまな話題やニュースがあった。この中から、記者会見や発表会の場、インタビュー、取材もしくはTwitter、ブログなどにおけるキーパーソンたちの発言、投稿などをピックアップして1週間を振り返ってみよう。
●Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏
App Storeを介して購入される雑誌や新聞、動画、音楽に対する定期購読サービスを2月15日に発表。雑誌および新聞業界の多くが抱く懸念を払しょくする狙いか。
「われわれの原理はシンプルだ」
「Appleがアプリケーションに加えた新規購読者については、Appleが収益の30%を徴収する。パブリッシャーがアプリケーションに加えた既存または新規購読者については、収益は100%パブリッシャーのものでAppleの取り分はない」
アップル、App Storeにおける定期購読サービスを発表
アップルのApp Store定期購読サービスの反響--出版業界の懸念
●Googleの最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏
前日にAppleがApp Storeでの定期購読サービスを発表しているが、その翌日2月16日にGoogleは、新聞および雑誌向けオンライン課金サービス「Google One Pass」のローンチを発表した。
「将来的には提供地域をさらに拡大する計画である」
グーグル、出版向け課金サービス「One Pass」を発表--アップルの定期購読サービスに対抗
●Sony Computer Entertainment Australiaの責任者であるMichael Ephraim氏
「われわれはAppleほど閉鎖的ではない。これは非プロプライエタリであり、ゲーム産業では初めてだ。デバイスの普及と共に、PlayStation Suiteは今後の方向性を指し示すものとなるだろう」
●Sony Network Entertainmentの最高業務責任者(COO)のShawn Layden氏
「Sony MusicはiTunesからの撤退など考えていないと、わたしは理解している。われわれにとってiTunesは、デジタル分野の最大の提携先の1つである」
ソニーにとって「iTunesはデジタル分野の最大の提携先の1つ」--SNE幹部が発言
●アップル通の著名ブロガーJohn Gruber氏
「夏は遠い先のことのように思える。だが、わたしの説が正しいなら、彼らはiPad 2から数カ月遅れるというだけでなく、もし、晩夏にずれ込むようなことがあれば、iPad 3のリリースともぶつかることになる」
アップル、iPad 3を秋に発表か?
次期「iPhone」、小型化しないが低価格に
●Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏
世界最大の携帯電話メーカーであるNokiaとの提携をMicrosoftが発表したばかりのタイミングに、モバイル関連の展示会である2011 Mobile World Congressの開幕を飾る基調講演で登壇。
「消費者は電話だけを選ぶわけではなく、プラットフォームを選択することになる」
モバイルで最も重要なのはプラットフォーム--MWC基調講演で
マイクロソフト、2011年に提供予定の「Windows Phone 7」の新機能を明らかに
ノキアとMSの提携--数々の不安要素と合併への可能性
●Intelのシニアバイスプレジデントでソフトウェアおよびサービス部門 担当ゼネラルマネージャーを務めるRenee James氏
Nokiaが、携帯電話向けMeeGoの長期にわたる開発から方針転換したことについて発言。
「失望した」
「コンピューティングの複数分野にわたるイノベーションに対して開かれたオープンソースの選択肢の存在が重要だ」
インテル、「MeeGo」搭載タブレット向けインターフェースを披露----MWC
●NTTドコモの代表取締役社長を務める山田隆持氏
世界最大のモバイル関連の展示会2011 Mobile World Congress(MWC)の基調講演でパネリストとして登壇。
「スマートフォンの登場で、われわれ(通信事業者)がダムパイプ化する危険性がかつてないほど高まっている。そのような事態は何としても避ける決意だ」
RIM、ノキア、そしてキャリア各社の描くスマートフォン戦略--NTTドコモ社長も登壇
●ソフトバンクの代表取締役兼CEOの孫正義氏
世界最大のモバイル関連の展示会2011 Mobile World Congress(MWC)でIntelの最高経営責任者(CEO)であるPaul Otellini氏や米YahooのCEOであるCarol Bartz氏とともに登壇。
「モバイルキャリアはダムパイプになり始めている」
「これは重苦しい現実だ」
孫正義氏:「この12カ月間、PCを触ったことはない」--MWCでモバイルの将来語る
●Intelの最高経営責任者(CEO)であるPaul Otellini氏
世界最大のモバイル関連の展示会である2011 Mobile World Congress(MWC)で、Intelチップベースのスマートフォンはいつ登場するのかを言及。
「2011年だ」
「顧客企業を事前発表することはできない。非常にエキサイティングなことになると思う」
インテルチップ搭載スマホの登場は2011年中--オッテリーニCEO、MWCで明言
●Twitterの最高経営責任者(CEO)Dick Costolo氏
2011 Mobile World Congressの基調講演で、誰もが使いやすく、プラットフォーム間で差がないものにするために、携帯電話サービスとの統合強化と翻訳ツールの提供を進めていくと、今後の方針を語った。
「Twitterはすでに、今週みなさんが耳にするだろうほぼすべてのもので利用できる。帯域幅が最大でインターフェースが直感的かつ最高にエレガントなものから、SMSしか使えない最も安価な携帯電話まで」
TwitterのCEOが基調講演--多言語化とモバイル対応の推進を語る
●米Yahooの最高経営責任者(CEO)Carol Bartz氏
世界最大のモバイル関連の展示会である2011 Mobile World Congressで新サービス「Livestand」を披露。Livestandは、ユーザーのためにあらゆる種類のコンテンツを収集、パーソナライズし、そのコンテンツをどの種類の端末向けにも最適化することができる。
「モバイルの世界では、画面サイズではなく、コンテンツが重要だという」
「画面サイズは今後も細分化するだろう。一度公開すれば、あらゆる端末で利用できるコンテンツを提供してゆくというのが、コンセプト」
米ヤフーCEO、モバイルでのコンテンツの重要性を力説--孫正義氏も登壇
●Google最高経営責任者(CEO)Eric Schmidt氏
Android搭載タブレットで今後到来する「Honeycomb(Android 3.0)」時代に向け、動画編集を可能とする新しいアプリケーション「Movie Studio」を2月15日に発表した。
「Honeycombを使用すれば、新しいインターフェースの美しさや能力を感じるだろう」
「わたしはとても気に入っている」
グーグル、Honeycomb向け動画エディタ発表--E・シュミット氏、MWCで講演
●Hewlett-Packard(HP)エグゼクティブバイスプレジデントTodd Bradley氏
米国時間2月9日にHewlett-Packard(HP)が開催した9.7インチタブレット「TouchPad」と「webOS」をPCに搭載するという計画の発表イベントにおいて発言。
「最も普及しているデバイス、すなわちパーソナルコンピュータにwebOSを搭載するという当社の計画を発表できて胸が躍る思いだ」
HPの「webOS」搭載PC--開発者獲得の可能性とMSとの距離
●NEC支配人 兼 パーソナルソリューション事業開発本部長の西大和男氏
NECが2月15日に開催したAndroid端末「LifeTouch NOTE(ライフタッチノート)」の新製品発表会見で発言。
「外出時に短時間で文章入力やブログを更新したい顧客のニーズに応えられる」
NEC、キーボードにこだわった7型ワイドのAndroid端末を発表--3月10日に発売
NEC、キーボード付きAndroid端末「NEC LifeTouch NOTE」発表
フォトレビュー:699gでAndroid 2.2搭載の「NEC LifeTouch NOTE」
●シャープの常務執行役員国内営業統轄兼国内営業本部長の岡田守行氏
イオン、NTT西日本、シャープ、ハーストーリィプラスの4社が2月15日に開催した記者発表の場で発言。タブレット端末を活用した「暮らしサポートサービス」において、4社は協業プロジェクトを開始する。
「シャープがガラパゴス事業で培った携帯端末の開発技術力、コンテンツ配信のプラットフォームを活用いただき、地域に密着した新しいサービスを創出していきたい」
イオンら4社が地域密着型情報サービスで協業--GALAPAGOS端末でネットスーパーなど
●ユニクロの代表取締役会長である柳井正氏
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「Facebook」と連動するファッションコミュニティサイト「UNIQLOOKS」を2月17日に公開。
「企業オンラインファッションコミュニティとして、世界で一番評価されるサイトにしたい」
「個人対個人、誰でも参加できて、双方向で、世界中で情報交換ができるサイトにしたい」
「テレビや新聞などのマス媒体だけでは、いまの時代に対応できない」
「ネットの匿名は信用できない」--ユニクロ柳井会長がFacebookを選んだ理由
ソーシャルで、リアルタイムで、もちろんグローバル--ユニクロがFacebook連動コミュニティ
●W3CのHTMLアクティビティリーダーを務めるPhilippe Le Hegaret氏
「われわれは2007年から(HTML5に)取り組んでいる。7年でHTML5を完成させることが目標だ」
●SAPジャパン代表取締役社長のGarrett Ilg氏
SAPジャパンが2月15日に2011年の戦略や方針を説明した。
「2015年の売上高を2010年の2倍となる2200億ドルにする」
「2011年内に新しいモバイルアプリケーションを発表する」
SAPジャパン、分析アプライアンス「HANA」で攻勢強める--2011年事業戦略
●アカマイ・テクノロジーズ合同会社の職務執行者社長である小俣修一氏
エリクソンとの提携会見の場で、トラフィック量について発言。
「2010年のモバイル端末のデータトラフィックは世界全体で、2010年の1年間で大きく増加している」
「1カ月で237Pバイトに上るデータトラフィックだが、これは2000年時点でのインターネットトラフィック全体の3倍にもなる」
激増するスマホのトラフィック--アカマイが携帯向けCDNでエリクソンと提携
●RSAのエグゼクティブチェアマンを務めるArt Coviello氏
米国で2月15日に開催された今年で20回を重ねるセキュリティカンファレンス「RSA Conference 2011」の基調講演。
「信頼できるクラウドを構築するためには、実際のクラウド条件を検査し、監視する必要がある。そのためには、これまでのセキュリティの固定概念を捨て、新しい方法で既存の技術を活用しなくてはならない」
RSA会長、信頼できるクラウドの実現に向けた3つの方針を語る--RSAカンファレンスにて
RSA、APT攻撃対抗のセキュリティオペレーションセンターの構想を説明
●ジェイド代表取締役の秋里英寿氏
クーポン共同購入サービス「Groupon」の世界展開やドイツのファッションECサイト「Zalando」を手がけるドイツのインキュベーターRocket Internetが出資するジェイドは、靴のECサイト「ロコンド.jp」のサービスを本格化させた。
「他国の成功を参考にしながら、日本ならではのおもてなしでサービスを提供する」
靴のECサイト「ロコンド.jp」が本格始動--顧客志向のサービスで“日本版Zappos”目指す
まずは「ネットで靴を買える」ということを伝える--ECサイト「ロコンド.jp」の挑戦
●日本証券業協会会長の前哲夫氏
2月15日に開かれた記者会見で、MBO(Management Buyout)の増加傾向について発言。
「非常に由々しき問題」
加速するMBOの流れは「非常に残念」--日証協会長がコメント
MBO増加の背景と今後をどう読み解くか
2011年に入り急増--上場企業がMBOを選択する理由とは
●Amebaモバイルゲームディビジョンのゼネラルマネージャー大辻純平氏
「ゲーム内イベントなどは基本的に毎日実施しているが、出したままにはせず、日々改善している。企画から10分でリリースするものから、1カ月先までの予定まである。そうった施策はほとんどプロジェクトメンバーだけで決定する。上長の確認を取る必要はない」
Amebaモバイルのゲームはどうやって1本あたり年間数億円売り上げるのか
●サムスンテレコムジャパン
世界最大のモバイル関連の展示会2011 Mobile World Congressの開幕前日である現地時間2月13日に発表された新機種の日本での展開について聞いた。
「Galaxy S IIの日本展開ついては、NTTドコモと具体的な投入時期に関して協議中。Galaxy Tab 10.1も提案ベースだが協議中」
「Xperia Play」や「Galaxy S II」は日本で発売されるのか?--各社に聞いた
フォトレポート:サムスン、デュアルコア搭載タブレット「Galaxy Tab 10.1」を発表--MWCで
フォトレポート:「Samsung Galaxy S II」スマートフォン--サムスン、MWCで発表
写真で見るサムスンの新スマートフォン「Samsung Galaxy S II」
写真で見るサムスンのAndroid搭載音楽プレーヤー「Galaxy S Wi-Fi」
写真で見るサムスンの新タブレット「Galaxy Tab 10.1」<
●三菱電機の執行役社長である山西健一郎氏
バックライトにレーザーを採用した「レーザーバックライト液晶テレビ」を三菱電機が開発した。
「研究開発は成長戦略の要。今後も開発スピードをアップして早期実用化を目指したい」
●Schematicのユーザーエクスペリエンス担当エグゼクティブバイスプレジデントJason Brush氏
Googleが2011年2月に発表した「Google Art Project」と呼ばれるプロジェクトでは、世界有数の17の有名美術館が所蔵する貴重な絵画や彫刻などの芸術作品を世界中の人びとに届ける取り組みだ。このGoogle Art Projectを構成する数々の技術を統合する作業を支援し、多くの美術館との協業においても大きな役割を果たしたのがSchematicだ。
「実際に美術館に足を運んで得られる体験と、オンラインで得られるエクスペリエンスの間にはっきりと一線を引くモデルを作り出す必要がある」
グーグル「Art Project」の技術--協力会社幹部インタビュー
●ケンコーコムの代表取締役である後藤玄利氏
一般用医薬品のネット販売を規制する厚生労働省(厚労省)省令の取り消しなどを求めた、ケンコーコムとウェルネットによる行政訴訟の第3回口頭弁論が、2月17日に東京高等裁判所で開かれた。
「国側の反論を見ていると薬害エイズ事件に似通った構造ではないか。当時ミドリ十字という既得権者がいたが、今回も社団法人日本薬剤師会や日本チェーンドラッグストア協会が理不尽な規制をしてきた」
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