「FileQ」は大容量ファイルをオンラインで送信できる、いわゆるファイル転送サービスだ。ブラウザからのアップロードはもちろんのこと、アップロード専用のAdobe Airアプリも用意されており、最小限の操作で送れるよう工夫されているのが特徴だ。
本サービスで送信できるファイル容量は最大600Mバイトで、同時に10人までのユーザーに送信することが可能となっている。ダウンロード回数は5回だ。なお、保管日数は5日間で変更はできないが、これはサーバ容量の圧迫を防ぐための措置とされており、今後変更になる可能性もありそうだ。
画面構成は非常にシンプルで、一画面ですべて完結するようになっている。手順としては、受取人メールアドレスとファイル名を記入し、送信ボタンを押すだけ。必要に応じて差出人氏名、メールアドレス、タイトル、コメントなども記入できるが、これらを省略すれば完全匿名でファイルを送れてしまうという、非常に珍しい仕様となっている。
本サービスが優れているのは、ブラウザ経由のアップロードでも、進捗が分かりやすく表示されること。他のファイル転送サービスでは、アップロードのボタンを押したあとはブラウザのステータスバーでしか進捗が確認できず、アップロードの最中なのかそれともフリーズしてしまっているのか、区別が付かないことも少なくない。本サービスでは進捗バーで進行状況が表示されるので、あとどのくらいの時間が必要か感覚的にわかりやすく、ストレスが溜まらない。
また、本サービスをデスクトップ上から利用できるAdobe AIRアプリ「AirFileQ」も用意されており、これを使えばブラウザ画面を開かなくともファイルの送信が可能だ。アップロード用の専用アプリを用意しているサービスはほかにもあるが、本サービスのそれは非常にコンパクトで邪魔にならないのが特徴だ。
一方、ほかのサービスにあって本サービスにない点として、送信者、つまり自分宛にメールの控えが送られてこないことが挙げられる。メールがきちんと送信されたかどうか確認する方法がないので、こうした仕様を知らずに初めて使うと少々戸惑う。メールの控えが欲しければ、受取人メールアドレスに自分のアドレスを追加しておくなどの工夫が必要になる。
またダウンロードにあたってはパスワードが用意されているのだが、ダウンロードURLを通知するメールに直に書かれているため、セキュリティの観点からはあまり意味がない。せめて別メールで送るなどの工夫がほしいところだ。またこのダウンロードURL通知メールにはFileQというサービスについての説明がまったくなく、いきなり名前とともに「届きました」というメッセージで届くので、あらかじめ相手に案内をしておかないと削除されてしまいそうだ。
広告モデルで運営されているということもあり、突飛なところに広告リンクが表示されているほか、送信完了後も画面がリロードされないといった特徴的な挙動はあるものの、動作そのものは軽快で、シンプルさもあって使いやすいと感じる。匿名でファイルが送れる機能についても、自分から会社宛に送ったり、自分から外出先のPC宛に送るなど、自分宛なのでわざわざ差出人名を書くのもわずらわしいといった場合に重宝しそうだ。
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