サンディスクは2月2日、同社の最上位モデルとなる「Extreme Pro」シリーズのSDカードとコンパクトフラッシュを発表した。
SDタイプの「サンディスク・エクストリーム・プロ・SDHC・UHS-I カード」は、新たにリリースされたSD 3.0規格のUHSテクノロジに対応し、最大45Mバイト/秒の読取りと書込み速度が可能になった。容量は8Gバイト(市場想定価格:6000円)、16Gバイト(同:1万2000円)、32Gバイト(同:2万3000円)の3種類。同日より出荷を開始しており、7日以降には店頭に並ぶという。
いずれも無期限保証で、マイナス25度から85度で動作する「耐温度」、洗濯機で洗っても動作するという「防水」機能、子供が踏む程度の「耐衝撃」や「耐X線」「耐磁力」機能を備える。
高速の読取りと書込み機能は、サンディスク独自の「パワー・コア・コントローラ」によるもの。4層のメモリダイ(半導体チップ)への同時アクセスに対応し、大量データの処理が可能になったという。また、ファイルに合わせてパフォーマンスを効率化できる「データ予測管理機能」を備えた。これにより、静止画かビデオ録画かを判別し、効率よく書き込みができるとしている。
コンパクトフラッシュ「サンディスク・エクストリーム・プロ・コンパクトフラッシュ(Extreme Pro)」は、3月に発売予定だ。最大100Mバイト/秒の書き込みが可能で、容量は128Gバイト。市場想定価格は、15万円を見込む。
ハイエンドな一眼レフデジタルカメラではまだコンパクトフラッシュが採用されていること、動画撮影が普及し始めた背景などにより、コンパクトフラッシュの需要はまだ高いという。
SDカードと同様に、サンディスク独自のパワー・コア・コントローラ技術を採用しているほか、UDMA7インターフェースを組み込むことにより、連続撮影や高精細のフルHDビデオをよりスムーズに記録できるとしている。
サンディスク マネージング・ディレクターの青柳マテウ氏は、「2010年はいい年だった」と振り返る。動画撮影の普及やスマートフォン市場の拡大により、大容量の購入比率が高かったからだという。
同社の調査によれば、HD動画対応デジカメ利用者の27%が動画主体で撮っており、静止画のみの撮影は23%と圧倒的に少ないのだという。追加で購入したSDカードの容量も、大容量の傾向があるとした。
NTTドコモの「GALAXY S」など、スマートフォンの発売日と売れ方がリンクしているのも、最近の傾向だという。
「スマートフォンが売れているところで売れるようにすること。突然の需要増加を予測する、足りなくなっても供給できるロジスティクスがサンディスクの強み」(マーケティング部 ディレクターの大木和彦氏)とした。2011年は、フルHDや3D動画利用の拡大、UHS対応機器の拡大により、メモリカードの高速化や大容量化がさらに進むのではないかと予測した。
スマートフォンが普及する一方で、「Nexus S」などカードスロットを持たない端末の存在や、クラウドへのデータ移行という流れもある。メモリカード事業の将来性について大木氏は、「ネットにつながないとデータが見られない状態は快適ではないし、(クラウドと)併存していくだろう」と断言する。
ソニーの「PSP go(PSP-N1000)」の発売を振り返り、「16Gバイトの内蔵メモリがあるからメモリカードは要らないんじゃないかと言われた。ところが、発売されたときに一番売れたのは16Gバイトのメモリースティック マイクロ。これまでもっとも売れていたのは2Gバイトと4Gバイトだったのに、一気に16Gバイトに上がった。どう使うかではない。(容量不足への不安に対する)マーケティングの上で心理は大事。確実に併存していくと日々のビジネスから感じている」と自信を見せた。
なお、「それほど高いパフォーマンスへのニーズがない」として、スマートフォンなどで使われるmicro SDカードはExtreme Proシリーズにラインアップしていない。
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