常に進化し続ける--最近のFacebookの動きをまとめてみた - (page 2)

 2010年7月、登録者数5億人を達成した翌月に、位置情報を利用した新サービス「Places」を発表した。スマートフォンや携帯電話端末のGPSを使った“チェックイン”機能を使って、相手に自分の居場所を共有することで、交流を深め、SNS利用の幅を広げることが目的だ。その日本語版となる「スポット」は9月に公開された。

 チェックイン機能を使ったサービスは、「Foursquare」や「Gowalla」といった多くのベンチャーがすでに参入し、日本でもiPhoneやTwitter利用者などから火がつき人気がある。位置情報サービスは、将来有望な新分野の1つであり広告収益も見込める。Facebookの創業者兼CEOのMark Zuckerberg氏は2010年、IPOについての質問に対して、「焦ってはいないが、最終的にはその方向に進むだろう」といった見解を述べている」(THE WALL STREET JOURNAL)。収益源確保のためのビジネスには、これまで以上に拍車が掛かるのではないだろうか。

 2010年11月に開始したメッセージサービスは、電子メール、インスタントメッセージ(IM)、ショートメッセージサービス(SMS)を統合したもので、1つの受信ボックスでメッセージを管理できるというものだ。各ユーザーにひとつ「@facebook.com」のアドレスが割り当てられる。開発に1年を費やした同サービスについて、Zuckerberg氏は、「電子メールを駆逐するものではなく、あくまでも、電子メールを含むメッセージサービスである」と述べている。

 また、あらためて追加された機能ではないが、Facebookは写真や動画の共有サイトとしても大きく成長している。「Facebook Photo」はいまや、毎日1億枚以上の写真がアップロードされ、1秒あたり100万の写真閲覧がされる、巨大な写真共有サイトとして機能している。

 日本市場に関しては、2008年5月に日本語版がリリースされた後、徐々に利用者数は増えてはいたが、それほど大きな展開はなかった。2010年2月に、日本の携帯電話の環境に合わせた新たなサービスを開発するために日本オフィスを構えた。10月にはリクルートと提携し、「リクナビ」での就職活動を支援する新サービス「コネクションサーチ」をローンチした。「CheckFacebook.com」のデータによれば、現在の国内利用者数は約200万人となっている。

巨大なデータセンターの建設

 写真共有や、メッセージ、位置情報などのサービスは莫大なデータをやりとりするものだが、加えて以下のデータを見れば、Facebookのサーバインフラストラクチャは相当な容量を持つ規模のものだと容易に想像できる(Facebook Statistcisより)。

  • 5億人の会員(1月に6億人を超えたようだ)の約50%が毎日、ログインをしている
  • ユーザーのFacebook滞在時間は、月間延べ7000億時間
  • 1カ月の間に共有されるコンテンツ(リンク、ノート、写真など)数は300億
  • 携帯電話によるアクティブユーザーは2億人
  • FacebookのインターンであるPaul Butler氏が作った、Facebook上のつながりを可視化したマップ。世界地図の上にFacebookユーザーをマッピングしたのではなく、ユーザーの所在地同士を結んだ結果、世界地図に近い形が浮かび上がっているのがこのマップのすごいところだ。

 まもなく、オレゴンに巨大データセンターが完成予定だが、すでにノースカロライナにも数千台規模のサーバを配置する新しいデータセンターの建設を4億5000万ドルで予定していると発表した。2010年の7月時点で、Facebookのサーバは6万台以上と示唆されていたが、現在の数は図り知れない。

 一方で、セキュリティに関しての問題は常に付きまとう。1つが解決の兆しを見せれば、また1つと、新しい機能を追加する度に新たな問題が湧きあがるからだ。先日も、承認を得た外部サイトやアプリケーションがFacebookユーザーの住所と携帯電話番号を収集できるようにした新機能を公開したが、その直後にセキュリティ会社からの指摘やユーザーからのフィードバックを受けて、同機能を一時的に停止し、改良することを決めた。この改良作業は数週間以内に完了するとしている。

 これからますます、この巨大なユーザーベースを武器にして、さらなるサービスやビジネスを仕掛けてくることだろう。Zuckerberg氏は2010年末、今後のFacebookについて聞かれ、「携帯電話や写真共有、メッセージなどの利用がさらに進んでいくことが想定される。それを支えるインフラ作りやサポートサービスなどの強化を慎重に進めていきたい」と語っている。急加速するFacebookの今後の展開が注目される。

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