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Facebook創業者、マーク・ザッカーバーグってどんな人?(後編)--3年前の来日を振り返る

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 (前編はこちら

 2008年5月19日、Facebookが日本で初めて記者説明会を開催した。創業者で現CEOのMark Zuckerberg氏が、同日にオープンした日本語サイトのアピールのために日本を訪れていたのである。当時のFacebook会員数は7000万人。MySpaceに次ぐ世界第2位のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)だった。国内でのSNSと言えば、mixiが勢いづき、2007年に登録者数1000万人を突破、もう少しで1500万人に手が届くといった頃だった(2008年7月に1500万人達成)。まだTwitterも流行る以前で、日本では海外のSNSが国内で受け入れられた前例はなく、Facebookはまだその名前すら知れ渡っていなかった。

日本の報道陣とは平行線

  • 実名でリアルな友人と繋がり、またその友人と繋がっていくといったFacebookのコンセプトを説明した

 説明会は表参道で行われた。会場は60名ほどのメディア関係者が集まり満席で、テレビカメラも数台来ていた。Zuckerberg氏はプレゼンテーションで、とにかく「実名登録」を強調した。「リアルな人たちとの本当のコミュニケーション」のメリットを享受するためには、実名であるべきと説き、「信頼性、安全性を保つことで“真のつながり”が成り立つ」と切々と語る姿は、提供するサービスへの自信を感じさせた。

 見た目はとにかく若かった。米国の高校生や大学生は大人っぽい人が多いが、Zuckerberg氏は、実年齢(当時24歳)よりも若く、むしろ現役学生よりも幼いくらいだった。質疑応答では、報道陣からFacebookの実名制度に対する疑問が多く投げかけられた。至近距離で、その表情を見ていたので、今でもその時の様子を鮮明に覚えているし、とても印象に残っている。

 日本の報道陣が投げかける質問は、どちらかというと始めから実名制度はうまくいくわけがないといったニュアンスを含むものばかりだった。それに対して、Zuckerberg氏は、実名性のメリットを理解して貰えないことが不思議といった感じで、時折、きょとんとした表情になった。いら立つとか、憤慨するといった感じではなく、一生懸命に理解して貰おうと説明していたが、その場のやりとりは、ほぼ平行線のように見えた。

ジャケットを着たZuckerberg氏

 あらためて、日本での説明会をアレンジした担当者に、当時の様子を尋ねてみた(なお、その当時の担当者は、現在、Facebookに関係した仕事をしているわけではないので、現Facebook側の見解ではないことを先に述べておく)。

 「私は2日間しか一緒に仕事する機会がなかったので、彼のいろいろなことはわかりません」と前置きをしながらも、「映画は、かなり大げさに描かれていると思います。Facebookが、ハーバード大学の中でどのように始まったかは私が知るところではありませんが、Markはあんなに変でも嫌な奴でもないと思います」と、映画を観ての感想を含めて語ってくれた。

 この時、Zuckerberg氏はFacebook本社の広報担当者と製品担当者と一緒に来日した。当初は3日間の滞在予定だったのだが、会見の翌日に米国にいなければならない大事な案件が入り、その日の夜の便で帰国した。正味2日間の滞在だった。

 発表当日は、朝から夕方まで分単位の取材が続いたが、嫌な顔もせずにきちんとこなしてくれたそうだ。本社の広報関係者たちからは「あまりプレゼンをしたがらないかもしれない」と聞いていたそうだが、前日の打ち合わせでも、とても真剣で、自分のプレゼンを見直して編集し、日本市場の話についても真面目に耳を傾け、理解を示してくれたそうだ。

 Zuckerberg氏は、この日の説明会でジャケットを着用していた。普段はTシャツとジーンズにフリースをはおり、足元はアディダスのサンダルと、とてもラフな格好をしている。海外メディアの取材の様子を見ていても、わざわざジャケットを着ている姿は珍しい。その日は、広報担当者たちにジャケットを着た方が周りとのバランスが取れると勧められ、Zuckerberg氏はそれに素直に従ったのだそうだ。

  • 会見当日のZuckerberg氏

  • Facebookについて説明した

  • フォトセッションでのリラックスした表情

 説明会の後には、「多くのメディアに来ていただいたことを、素直にとても感謝していました。また、急きょ、米国に戻らなくてはいけなくなったために、夜の技術者向けのイベントに参加できなくなってしまったことを、とても申し訳なく思っている様子でした」という。

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