このブートストームは朝の始業時に、エンドユーザーが一斉にVDIを立ち上げるために管理マシンやストレージに負荷がかかってしまうというものだ。これは「ディスクがボトルネックになってしまう」(星野氏)ためという。またブートストームは、VDIに限ったものではなく、VMware上に多くのゲストOSとアプリケーションを搭載して、一斉にシステムを起動させたときにも起きるものだ。
VirtualStoreは、「独自のハンドリングキャッシュ技術を活用することでブートストームに対応できる」(星野氏)としている。シマンテックの「SE Lab」と呼ばれる部署では、物理サーバ2台の上にWindowsやLinux、あわせて300のゲストOSを稼働させているが、VirtualStoreを活用することで、ブートストームを解消できていると説明している。
シマンテックの藤田幸雄氏(執行役員ジャパン・デベロップメント・センター長)は、現在は「IT転換期にある」と表現。従来の情報システムは、アプリケーションごとにサーバを立てる、いわば“サイロ”の状態であり、「システム中心のIT」(藤田氏)と説明する。
シマンテックは、今後目指すべき姿として“情報中心のIT”を掲げている。こうした視点から藤田氏は、システム中心から情報中心に移行しつつある現在を“転換期”という言葉で表現する。この転換期の課題として(1)ストレージの最適化(2)可用性の確保(3)仮想化・クラウド化の推進(4)アジリティの向上――があるとしている。今回のApplicationHAは可用性の確保、VirtualStoreはストレージの最適化、それぞれの課題に対応する解決策と言えるだろう。
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