人に仕事を「依頼する」ことが、どれほど重要なことか分かっていないなら、今すぐ本書を読むべきだ。本書に書いてあることは、テンプレートを並べたような単なる「ビジネスメールの書き方」や「電話のマナー」などではない。社会人として本当に大切なことであり、最も基本的なことなのだ。
どのような仕事でも、必ず協力者がいる。その人に協力してもらうためには適切な依頼が必要だ。ここで言う“依頼”とは、何も有名人への依頼ばかりではない。同じ会社内の別の部署、上司と部下といった間のものも含まれる。あまりに日常的に発生しているため、相手の都合も考えず、自己中心的な依頼をしていないだろうか。
著者は「『絶対に受けてもらえる依頼』はないが、『まず受けてもらえない依頼』はある」という。読んでみると、ほとんど「礼儀」の範囲に入ると思っていたようなことが多い。だが、その礼儀さえ身についていない「失礼な人」が、実は多いのだろう。まずは「自分が依頼される側だったら?」という相手の立場や気持ちを慮る必要があるのだ。
そして本書は、依頼方法だけでなく「断り方」にも言及しているのが貴重だ。断る時は逆に、依頼した人の立場を慮るべきだろう。依頼する側も、される側も、気持ちの良いやりとりが成立してこそ、良い仕事ができるというものだ。社会人であれば、一度は本書を読むことをお勧めする。
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