コンテンツ事業者は応分のネットワーク費用負担を--欧州の通信各社が主張

文:Marguerite Reardon(CNET News) 翻訳校正:緒方亮、長谷睦2010年12月09日 11時55分

 欧州の通信事業者が、増大するデータ通信の需要を踏まえ、これに対応するためのネットワーク改善費用をGoogleやApple、Facebookといった企業も負担するべきだと主張していることが、Bloombergが現地時間12月8日に報じた記事で明らかになった。

 France Telecom/Orange、Telecom Italia、Vodafone Groupでは、利用量に応じた料金をコンテンツプロバイダーに課し、これを無線ブロードバンドネットワークの改善費用に充てたい考えだ。

 France Telecom/Orangeの最高経営責任者(CEO)であるStephane Richard氏は8日、パリで開かれたLe Webカンファレンスでこの問題を取り上げ、インターネットインフラを提供する事業者の売り上げと投資が釣り合っていない現状は、持続可能なものではないと主張した。

 Bloombergの記事では、コスト削減への「動機付けがないサービスプロバイダーがネットワークをあふれさせている」というRichard氏の11月の発言を引用している。さらに同氏は「サービスプロバイダーが利用状況に応じて料金を支払う制度を導入することが必要だ」と述べていた。

 Richard氏をはじめとする欧州の通信事業者のCEOは、各社のネットワークへのデータ接続とトラフィックが増大する一方で、売り上げが減少するという問題に直面している。無線ネットワークにとってこの問題は特に深刻だ。例えば、市場調査会社IDCの試算によると、西欧ではモバイルデータ接続の件数が年率15%の割合で増加し、2014年には約2億7000万件になるという。しかし同じ期間に、売り上げは1%減少するとみられている。また、市場調査会社のCanalysの予測によれば、同期間における通信事業者の設備投資は2009年から28%増えて年37億ドルになると、Bloombergは伝えている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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