ラーメン専門通販サイト「宅麺.com」--自宅で店舗の味を再現できるのはなぜ?

鳴海淳義(編集部)2010年12月07日 17時36分

 人気ラーメン店の味をそのまま自宅やオフィスで楽しめる「宅麺.com」というサービスがある。グルメイノベーションが7月に開始した。ラーメン店のスープと麺、具材を冷凍して、そのまま宅配する通販サイトだ。

 1食の価格帯は店頭とほぼ同じ700〜900円。これは店頭の味を完全に再現しているという自信の現れだという。スーパーなどでもラーメン店の店名を冠した商品が販売されているが、それらは濃縮されたスープをお湯で薄めて食べるタイプが一般的。それに対し、宅麺.comで扱う商品は店舗の厨房で作ったスープを濃縮せずに冷凍しているため、温めるだけでお店の味が再現されるというのが特徴だ。

井上琢磨氏井上琢磨氏

 「しかし、一度食べてみないと信じられない」。そういった声も多いため、12月6日にグルメイノベーションとアジャイルメディア・ネットワークが共同で、宅麺.comで扱っているラーメンの試食会を開いた。ブロガーやTwitterユーザーなどが20名ほど参加し、ラーメン9種類を試食して品評したところ、参加者からは「本当にラーメン屋の味がする」とリアルな味の再現に驚き声があがった。

 グルメイノベーション代表取締役の井上琢磨氏は「実は一番多い感想は『うまい』とかではなく、『ラーメン屋さんの味がする』なんです」と胸を張る。

 このサービスを開始した背景には、「ラーメンが好きだが、行列には並びたくない」「子ども連れでカウンターには座りづらい」といった悩みがあった。多くのファンを抱える人気店を中心に営業を開始し、徐々に理解を得てきた。いまでは販売を希望するラーメン店を断ることもあるという。

 宅麺.comは受託生産モデルを導入しており、店舗側が在庫を抱える必要がない。商品はラーメン店のスタッフが空いた時間にスープと麺を袋に詰めて冷凍すればできあがる。追加コストをかけずに月10万円以上の売上をあげられることから店舗側からの評判も上々だという。12月6日時点で取り扱い店舗数は65店舗。2011年中に250店舗の取り扱いを目指す。

 8月には職場に冷凍ラーメンを届けるサービス「オフィスde宅麺.com」を開始した。事前に無償で提供する「宅麺ストッカー」という冷凍庫と加熱調理用器具、食器をオフィスに設置し、宅麺.comで扱っている商品を毎週あるいは隔週で定期的に配送する。

 1回の配送個数は30食から。福利厚生の充実を検討しつつも規模や設備の面から社員食堂の設置が難しい企業を主な顧客層と想定している。また商品の賞味期限が出荷日から約2週間となっているため、1日あたり平均喫食数が3食を越える職場が対象となる。導入第1号はインターネット関連サービス企業のリアルワールドだった。2010年内に10社、2011年中に30社への導入を見込んでいる。

宅麺.com宅麺.com

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