データ同期サービス「SugarSync」が国内運営に--日本語サポート、日本円決済、Androidアプリも

鳴海淳義(編集部)2010年12月03日 08時00分

 ソフトバンクグループのBBソフトサービス(BBSS)は12月2日、パーソナルクラウドサービス「SugarSync」を提供する米SugarSyncと提携し、日本語版サイトを12月14日に正式オープンすると発表した。日本語のAndroidアプリも同日から配布する。

 両社は9月に包括的行提携契約を結んだ。12月14日からは現在のように言語だけを日本語に変更するのではなく、BBSSが日本語でのサポートや日本円での課金など完全なローカルサービスを運用する。またBBSSは日本国内におけるSugarSyncのマーケティングや国内ハードウェアベンダとの関係構築なども担当する。

 SugarSyncはデータのバックアップ、同期をクラウド経由で実現するサービス。Windows/Macに対応したクライアントソフト、ウェブブラウザからアクセスするウェブサービス、Android/iPhoneなどから利用できるモバイルアプリを提供し、いつでも、どこからでも、どんなデバイスでもデータにアクセスできる環境を揃えている。

 大きな特徴は任意のフォルダごとにバックアップ、同期、共有の設定ができるところだ。たとえば会社のPCにあるドキュメントフォルダは自宅の自分のPCとだけ同期し、写真の入ったフォルダは家族のPCやモバイル端末、実家の両親のPCと同期する。音楽の入ったフォルダはモバイルやタブレット端末と同期すると便利だ。あるいは組織内で「プロジェクトA」のチームメンバーとはフォルダAを共有し、「プロジェクトB」のチームメンバーとはフォルダBを共有するといった利用法も考えられる。

 1つのフォルダしか同期、共有できないのでは仕事のデータとプライベートのデータが混ざってしまう。その点でSugarSyncは公私の使い分けに適したクラウドサービスであるといえる。実際、BBSSが日本のSugarSyncユーザーにアンケートを取ったところ、71%が仕事とプライベート両方の用途にSugarSyncを使っており、それぞれ17%だった「仕事のみ」と「プライベートのみ」を大きく上回った。またこの自由度の高い同期設定については、ユーザーの100%が「満足している」と回答したそうだ。

 とはいえSugarSyncというサービス全体に対する満足度は71%にとどまった。その理由は、日本語が不自然、日本円での決済ができない、使い方がわかりづらい、日本語のサポートがないというものだった。BBSSが日本語版サイトを運営するのは、これらの問題をすべて解決するためだ。

 さらに無料で利用できる容量を2Gバイトから5Gバイトまで拡大。有料版は30Gバイトが月額525円(年額5250円)から。最大で500Gバイトまで拡大できる。日本語版のサービス開始を記念して、2011年3月31日までに契約した場合は有料サービスを全メニュー20%割引する。

 SugarSyncのCEOであるLaura Yecies氏によれば、世界全体のユーザー数の15%が日本人で、増加率はワールドワイド平均の2倍に上るという。またSugarSyncに関するTwitterの投稿のうち8割近くが日本語の投稿になっているなど日本での注目度が非常に高く、市場としても期待を込めている。

 BBSS取締役の瀧進太郎氏は、「ソフトバンクグループの強みは世界中の良いものを日本に持ってきて、日本のユーザーに特化した形で提供すること」だと述べた。さまざまなパーソナルクラウドサービスがあるが、それらの中からSugarSyncを選んだ理由は、柔軟性の高い同期設定、マルチプラットフォーム対応、サービス拡張の可能性の3点だという。たとえばデジタルカメラとSugarSyncを同期させたり、写真のプリント依頼ができたりといった周辺サービスが可能だとしている。

 競合に「Dropbox」というサービスがあるが、機能や拡張性の面で「日本においてはSugarSyncが一歩リードしている」と語った。米国のSugarSyncには企業向けのログ管理、アカウント管理機能などがある。現在はソフトバンクグループ内で十分に利用できるか検証している最中で、今後一般向けにも提供する計画だ。

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