「テンミニッツ」は、時間管理のシンプルな方法だ。複雑なルールを覚える必要もなく、高価なツールをそろえる必要もない。ふせんがあればすぐに実践できる。その手軽さがいい。
筆者は「テンミニッツ」というタイトルから、仕事を10分単位でとらえるのかと思ったが、そうではなかった。「ふせんを貼りながら今日のスケジュールを立て、進捗状況を確認し、変更に対して調整する時間」が「トータルで10分」で済むという、短時間でできる時間管理の方法であった。時間管理術は、仕事を効率良くこなすためのものなのに、時間管理術のルールを覚えたり、それを実践するためのツールの使用にばかり時間を割くのは本末転倒だ。その点テンミニッツは、10分で済むのだ。
本書では、ふせんを自分の持ち時間の中に貼っていくという発想を、スーツケースに必要なものを詰めていく過程にたとえていて、分かりやすい。決まった形のスーツケースの中に詰められる荷物の量は決まっている。時間も同じで、決まった時間内に片付けられる仕事の量には限度があるのだ。時間はありそうでない。なさそうである。ふせんを使って、仕事を目に見える形にすることで、時間を有効に使えるようになる。
何か新しい事に挑戦するとき、道具をそろえるまでに時間がかかってしまってすっかりやる気をなくした、ということがあるだろう。だが、本書にはそのような心配はない。巻末には、テンミニッツ専用シートが付いているので、ふせんさえあれば、本書を読み終わった直後から、すぐに実践できる。
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