Opera、モバイルブラウザの好調示す最新データを公表

鳴海淳義(編集部)2010年10月19日 17時19分

 Opera Softwareは10月14日にノルウェーでイベント「Up North Web」を開催した。CEOのLars Boilesen氏と製品責任者のChristen Krogh氏がウェブブラウザ「Opera」に関する詳細なデータを公開している。興味深いものをいくつか紹介しよう。

 まずOperaの製品は大きく3つのカテゴリに別れる。PC向けと携帯電話向け、そしてテレビなどその他のデバイス向けだ。

 これらのうち携帯電話向け製品には「Opera Mini」と「Opera Mobile」という2つの製品がある。Opera Miniはインターネットの情報を一度Operaのサーバで圧縮してから携帯電話端末に配信する仕組みの製品。回線の遅い環境で重宝されている。クライアントではなくサーバ上でページ内容を処理するため、App Storeでの配信が承認されたという背景がある。一方のOpera MobileはPC向けOperaを携帯電話に対応させた純粋なブラウザアプリだ。

OperaのCEO、Lars Boilesen氏OperaのCEO、Lars Boilesen氏

 2010年9月時点のOperaの利用者数は合計1億4000万人以上。その内訳はOpera Miniが7100万人、PC向けOperaが5000万人、テレビなどのその他の端末が2000万人となっている。Boilesen氏によれば、毎秒2人が新たにOperaユーザーになっているという。特にOpera Miniは以下のようなデータが人気のほどを示している。

  • Opera Miniユーザーは毎月369億ページ以上(1人当たり519ページ)を閲覧している。
  • Opera Miniは毎月、5.35ペタバイトのデータ(1人当たり7.5メガバイト)を配信している。
  • Opera Miniは3000以上のデバイスに対応している。
  • Opera Miniは195カ国で利用されている。

 Opera MiniとGoogle検索のトラフィックを比較すると、Opera MiniはGoogle検索の4分の1に相当する。2009年12月はGoogle検索が約550億PV、Opera Miniが約70億PVだったが、2009年12月にはGoogle検索が約790億PV、Opera Miniが200億PVとOperaがその差を縮めている。

  • Opera Miniの月間アクティブユーザーは7100万人

  • Opera MiniとGoogle検索のトラフィックを比較

 特に回線の遅い発展途上国のOpera Miniユーザーは世界平均より多くウェブページを閲覧しているという。ウクライナ(約800ページ)やインドネシア(約700ページ)、ロシア(約600ページ)は米国や英国を大きく上回っている。Opera Miniの利用者数ランキングは上からインドネシア、ロシア、インド、中国、ウクライナの順になっている。

 Boilesen氏はウェブの将来について次のように予言した。

  • 今後、アプリケーションはウェブベースになる。
  • 携帯電話上ではOSによる独占は成立しない。
  • プロプライエタリ(独占的)な技術は絶滅する。
  • 2015年、モバイルウェブはPCを超える市場になる。
  • ほとんどの人にとってOSは意義を持たなくなる。
  • 10年以内にすべてのデバイスはブラウザだけを求めるようになる。

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