さまざまなデバイスでの導入に関して、日本で最も進んでいるのがPCだ。すでに秋冬モデルのPCでは、富士通やオンキョーモデルが数機種対応している。
AVアンプのように、デバイスから高音質に対応したものを導入するのではなく、ソフトウェアベース高音質化している。高音質用のスピーカーの導入など、ハードウェア面で変更する必要がないため、導入しやすいメリットがある。
DTSがPCで提供しているのは、「PREMIUM SUITE」。サラウンドを強化する「Surround Sensation」、音量をアップする「Boost」、ソースによる音量の違いを一定化させる「Symmetry」の3つ。
Surround Sensationは、PCの2つのスピーカーを使いながらも、サラウンド音響システムを使用したような、回りこむような音場を構築する。Blu-ray Discの迫力の映像に負けないような、立体音響の空間を創り上げる。
BoostはPC側での最大音量よりも音量をアップする。CEATEC会場のような大騒音の中でも、ソースの音が聞き分けられるだけの音量を実現する。もちろん、音割れなどの現象は起きない。
Symmetryはテレビで言えば、本編とCMの音の大きさの違い、インターネット上の音響や音楽プレーヤーなど、音量がそれぞれに違うソースを次々に再生しても、急に音が大きくなったり、小さくなったりするのを防ぐ。
Blu-ray Discドライブの搭載を始め、インターネット配信の動画など、PC上で映像を視聴する機会が増えた現在においても、PCの「音」の環境が整っているとはいいがたい。
「スピーカーの性能を上げるなど、音質を向上させる方法はほかにもあると思いますが、現状でスピーカーのポテンシャルを最大限に引き出せます。ベストではありませんが、ベターなことはやっています」と伊藤氏は言う。お金をかけてPCのデバイスを変え、音響をよくすることがベストだとするのであれば、デバイスを変えずに音響を向上させることはまさにベターな方法に違いない。
韓国ではすでにAndroidフォンにアプリとしてサウンドセンセーションの簡易版が組み込まれている。携帯電話のスピーカーのポテンシャルを最大限に生かすものとして、期待される。ただ、残念なのは、Androidのアプリではあるものの、プリインストールアプリとなっており、Androidマーケットでのダウンロード対応はしていないことだ。なお、日本における展開は未定となっている。Androidフォンへのプリインストールや、Androidマーケットでの販売などの展開を期待したい。
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