ニンテンドー3DSの新たな通信機能やWi-Fi環境の拡充も--「Nintendo Conference 2010」講演レポート - (page 2)

「ニンテンドー3DS」の発表でまず最初に触れられたのは、基本的な機能について。「ニンテンドー3DS」は、既存の「ニンテンドーDS」シリーズと同じく2画面構成だが、上画面はややワイドな作りで、特別な手はずを必要とせずに裸眼で3D立体視が楽しめるようになっている。3Dの見え方には個人差があるとのことで、本体に付いている3D立体視の効果を調整するボリュームで自身にあった画面に調整できるほか、3D立体視をオフにしてこれまで通りの画面でプレイすることも可能だという。

任天堂カンファレンス

 また、「持ち歩く、響き合う、毎日が楽しい。」をコンセプトに、すれちがい通信の新たな機能を搭載したことも発表となった。従来の「ニンテンドーDS」シリーズでは、ゲーム内ですれちがい通信モードにして持ち歩く必要があったため、別のソフトをプレイしている間はすれちがい通信を行えないといったデメリットや、「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」のように社会現象になるほどのソフトでなければ十分な頻度で通信が発生しなかったケースがある。

 しかし「ニンテンドー3DS」では、スリープモード中に本体が複数のソフトとすれちがい通信をするようになったため、現在遊んでいないソフトでのすれちがい通信も行えるようになる。そしてすれちがい通信の結果は「お知らせリスト」によって確認することができるようになる。

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 そのほか、Wiiと同様に、顔のパーツを組み合わせて自分や家族、友達のキャラクターを作るMiiの機能が内蔵されていることも明かされた。このMiiがゲーム中に登場するDS用ソフト「トモダチコレクション」がヒットしたこともあり、任天堂が行った調査によると、日本全体の7才〜74才までのなかで、自分のMiiを持っていると回答した人は2600万人にも及ぶという。

 さらに「ニンテンドー3DS」では、MiiからQRコードを作れるようになったり、Mii自身のすれちがい通信も行われるようになる。すれちがったMiiは「すれちがいMii広場」に格納され、ここでは相手とすれちがった日時や回数、相手が最後に遊んだゲームが確認できるようになるのだ。また、身近なコミュニケーションツールとしても活用できるよう、顔写真からMiiを自動生成する機能が搭載される。

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 カメラを活用した機能はほかにもあり、AR(拡張現実)機能を活用して作られたゲーム「ARゲームズ」が本体に標準搭載されたり、本体外側についている2つのカメラを使うことで立体写真が取れたり、2人の顔写真を合体させる機能も追加されている。

 本体の機能面では、画面下にあるタッチ式のパネルに用意された「HOME」ボタンを押すことで、いつでもメニューを呼び出せるようになる。このうち、いくつかの機能はゲームを中断して呼び出すこともでき、インターネットブラウザを使ってゲーム中にでてきた言葉を調べるといったことも可能だという。

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 また、ダウンロード販売については、岩田氏自身が「操作性が快適とは言えず、販促と販売の機能が融合できていなかった」と話していたこともあり、今後はWiiの「ショッピングチャンネル」と「みんなのニンテンドーチャンネル」を統合したようなイメージでサービスを行うとした。

 なお「ニンテンドー3DS」ではダウンロードコンテンツをSDカードに保存する形式となり、本体購入時にも2GバイトのSDカードが同梱されるが、容量が不足すれば大容量のものに入れ替えて使用することも可能だという。すでに購入済みのDSiウェアについては、「ニンテンドー3DS」にも引越しできるような仕組みを考案しているようだ。

 そしてダウンロード販売されるソフトのラインナップは、バーチャルコンソールによって昔のゲームを配信したり、クラシックゲームを3D立体視に対応させたソフトを展開していくとした。

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 しかしながら、インターネットやWi-fi通信機能を行える環境がそこまで普及していないため、今後は各社と提供し、Wi-fiの接続拠点拡充にも取り組んでいくという。その取り組みとして、日本マクドナルドとの協力により「ニンテンドーゾーン」の拡充を、NTT東日本、NTT西日本との協力では、ネット接続の普及を進めているとした。特にNTTとの提携では、公衆無線LANのインフラ展開をしているNTTBPの「Wifine(ワイファイン)」の提供エリアで「ニンテンドー3DS」の通信機能が利用可能となるサービスが提供されるとのこと。

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 公衆での通信環境を整える以外にも、日テレ、フジテレビと提携し、テレビ局が制作した3Dのオリジナル映像を「ニンテンドー3DS」に毎日配信する実験的な取り組みも行うという。

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 最後に岩田氏は「ニンテンドー3DS」そのものの普及について、「『任天堂のハードで売れているのは任天堂のソフトだけ』というイメージがあるため、ソフトメーカーのみなさまと協力して『ニンテンドー3DS』の普及を目指し、これからもゲーム人口の拡大に努力していきます」と延べ、カンファレンスを締めくくった。

任天堂公式サイト
http://www.nintendo.co.jp/

(C)Nintendo

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