これからの10年--開発者が主役となる時代の幕開け - (page 4)

文:Jason Hiner(TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子2010年09月20日 07時30分

 こういった環境は、開発者にとって独立性と創造性を手に入れる大きなチャンスとなる。現代はマイクロペイメントシステムのおかげで、個人開発者であっても、PayPalアカウントを用意するだけでコンサルティング業を始めるうえで必要となるインフラすべてが手に入るようになっている。つまり、個人開発者や少人数の開発者チーム(デザイナーやプロジェクトマネージャーと協力することもある)だけで大きな成功を勝ち取ることも夢ではないというわけである。

 IT業界の開発者たちは、大企業、あるいはアプリケーション開発チームの一員として働く傍ら、個人的にアプリケーション開発を行うことで副収入を得ることも可能になる。また、経験豊富なアプリケーション開発者であれば、フリーランスとして複数のクライアントから仕事を請けたり、さまざまな規模の企業に対してアプリケーション分野への参入を支援する個人コンサルタント業を営んだりすることができる。

 こういった開発者たちにとって、仕事場と自宅の地理的な距離は昔ほど重要ではなくなってきている。電子メールアカウントとSkypeアカウントを持っており、それなりの職務経歴をウェブ上でアピールすることができれば、遠方のクライアントからであっても、結構良い仕事を受けることができるはずだ。また、ウェブ上で共同作業を行うためのチーム向けツールもどんどん進化してきているため、地理的な壁というものはどんどん取り払われつつある。

 現在では、あらゆる企業(TargetからAllstate、そしてガレージをオフィスにしている個人企業まで)がアプリケーションを必要としているため、開発者に対する需要も高まってきている。こういった需要はまず、携帯電話向けアプリケーション分野から始まっているが、タブレットやデスクトップウィジェット、そして最終的には(AndroidやiOSといったプラットフォームが搭載された暁には)テレビといった分野にまで広がると考えてよいだろう。新興企業にとっては、マルチプラットフォームアプリケーションを配備するという戦略が、自社のウェブサイトを構築することと同様の基本戦略となっていくだろう。

 IT業界における急激な変化は予想もしない結果を引き起こし続け、新たな勝者と敗者を生み出し続けることになるはずだ。従来のITの役割が姿を消すわけではないものの、変化の圧力は増し続け、サービスプロバイダーとしての役割に軸足が移っていくことになるだろう。そしてこれと同時に、開発者たちにスポットライトが当たるようになるはずだ。つまり、彼らが主役となる時代がやってくるわけである。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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