筆者の記事を普段から読んでくれている読者は、筆者がいつも職場でのコミュニケーションを強化すべきだと主張していることを知っているだろう。
だが、その立場を少々修正したい。コミュニケーションは、正しく行われれば生産性と効率を驚くほど高めてくれる。しかし間違ったコミュニケーションには、仕事を台無しにする効果しかない。
これは狼少年の話のようなものだ。この物語では、男の子は普段から狼などいないのに「狼が来た!」と叫んで、助けに来ようとする村人をからかっていた。そして、本当に狼が来たときには、男の子がいくら叫んでも、誰も本気にしなかった。
これを職場に当てはめて考えると、この男の子は、あらゆることを伝えようとして知らず知らずのうちに周りの人に無視されるようになり、重要な情報も伝えられなくなっている同僚にあたる。誰もが利用している電子メールや音声メールでは、このようなことがよく起こっている。
一部の人が過剰に情報を共有するのは、必要な情報を伝えなかったと後から追求されるのを避けたいからだ。問題は、これらの人々が、必要な情報と余分で邪魔になるだけの情報を、見分けられていないということだ。よいコミュニケーションのためには、共有すべき情報を知ることが大切だ。なぜなら、ロールアウト予定の技術について、数値が満載のメールを山のようにもらいながら、肝心のロールアウトがいつ行われるのかというメールが受け取れないことほど、ひどいことはないからだ。
全員に送信しようと準備している情報が、本当に仕事に影響のあるものかどうか、自分の胸に聞いてみるといい。受信者リストにある全員が、同僚の昇進に対するお祝いの言葉を見る必要があるだろうか?その情報が本当に重要なのは、昇進する当人だけなのでは?メーリングリストの全員が、あなたが水曜から4週間オフィスを空けることを知る必要があるだろうか?
自分が持っている情報や、これから自分が取ろうとしている行動で、他の人にも影響を及ぼす可能性のあるものはあるだろうか。心の中で仕事の役割のドミノをたどり、その情報を知る必要があるのは誰か、必要がないのは誰か、情報のどの部分を伝えるのが適切かを判断するといいだろう。
特に大きな集団を相手にする場合は、できるだけ簡潔にすること。一部の人は、たとえ世界の終末を伝えようとしている場合でも、それを伝えるのに手間をかけすぎると、途中で興味を失ってしまう。そして、興味を失った人は、その情報を得ることはない。論点を単刀直入に伝えることだ。
伝えようとする集団の中には、細かいことまで全部知りたいという人も出てくるかも知れない。その場合は、後でその詳細をフォローするといい。つまり、詳細は必要な人にだけ伝えた方がよいということだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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