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検索エンジン市場の成長とスパム行為

アウンコンサルティング2010年06月11日 14時29分
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 経済産業省が2010年1月に発表した特定サービス産業動態統計調査によると、2009年11月のマスコミ4媒体における広告売上高は前年同月比マイナス12.4%であった。いわゆる「3K」の一角である「広告費」が事業戦略上、削減対象とされていることが伺える。

 一方、インターネット広告の2009年11月における売上高は前年同月比3.9%となり、広告分野で唯一のプラス成長となった。

 日本のインターネット広告を牽引するヤフーの2009年第3四半期決算資料を見ると、同社の中心事業である広告事業は「2008年第3四半期と比較し、増収増益」という結果であった。

 大きな要因はP4P(検索連動型広告)広告事業が順調に業績を伸ばしたことにある。同社の広告事業における今後の見通しでは、この検索エンジンをプラットフォームとするP4P(検索連動型広告)広告事業を中心に増収が見込めるというものであった。

 では、なぜこうした市況下でも「検索エンジン」というプラットフォームに事業を成長させる力があるのだろうか。

 2009年に総務省が発表した「通信利用者動向調査」によるとインターネットのユーザー数は9000万人を超え、彼らがウェブサイトを探すために最も多く使用しているツールが検索エンジンであるからだ。

 企業にとってウェブサイトは今や企業活動や経営の重要チャネルとなっている。軒並み多くの企業が広告における費用対効果にシビアになっている中、検索エンジンを使用した販路拡大に乗り出す企業が今もなお増加傾向にあるといえる。

 その検索エンジンを利用した集客の代表的な手法がSEOである。SEOの大きな魅力は、自然検索結果からランニングコストをかけずに集客することができる点だ。

 今では自宅PCと世界をつないでくれる超巨大なインフラとして、約7割のシェアを誇る検索エンジン最大手のGoogleは、自らのミッションを「世界中の情報を体系化しユーザに届けること」としており、独自のアルゴリズムで世界中のサイトを索引化している。この活動によって、検索結果に表示されるサイトの順位が決定されている。

 こうしたプラットフォームにおいて、多くのサイトは検索結果で1位に表示されることができれば最大多数の検索ユーザーと接点を持つことができる。

 サイトにユーザーを呼び込むことができれば、彼らの目の前にあるディスプレイ画面を100%占有し、時間制限のないサイト閲覧環境を実現することができ、サイト運用サイドにとっては非常に価値が高いこととなる。

 もちろん「アクセス数≒サイトの売上」という方程式を持つサイトにとっては、何がなんでも検索結果の上位に表示させたいと考えるだろう。

 本来サイト内にはページごとに固有の情報が含まれ、適切な文字情報が適切な数だけ記載され、誰がアクセスしても同じページにアクセス可能である。検索エンジンはこうした視座から機械的にサイトの評価を決める。

 ただし、こうした機械的な評価方法の死角を利用した不正行為を「スパム行為」と呼ぶが、こうした行為がそこかしこで横行すると、世界中の情報を的確に体系化することは不可能となる。そこでGoogleは検索結果の品質維持のために、スパム行為通報フォームを設けて、厳しく取り締まりをおこなっている。

 そこでは「問題が表示される検索用語」と「Google 検索結果に表示される問題ページのURL」、「スパム行為の種類」を記入することで誰でも簡単に通報が可能だ。

 Googleでは、機械的に検出できないようなスパム行為にも対応するため、その通報をひとつずつ徹底的に調査し、不正が発覚した場合は適切な処置を取るとし、特に悪質なケースは、問題のページをインデックスから削除する。つまり、検索結果にすら表示されなくなるのである。

 ただし、悪質ではなく偶発的なものと判断された場合は、サイト運営者へメールによってその旨が通知される。それによって、正しくサイトを改修することができれば問題はない。

 こうしたメールでの通知が多い例として挙げられるのが、画像に表現された文字とその代替テキストに乖離がある場合である。

 Googleから通知された期間内に、指摘箇所を的確に改修できなければ悪意がなくてもインデックスから削除されてしまう可能性があるため、サイト内の画像に不的確な代替テキスト情報がないか一度見直してみることをおすすめする。

 では、陥りやすいケースをいくつか紹介しよう。

【パターン1】洗練された流行の先端をいくイメージをサイト上で演出している場合

 特にファッション系ECサイトで多く見られる傾向がある。こうしたサイトのターゲットは、美的感覚の鋭い消費者であったり、トレンドに敏感な若年者層が多い傾向にある。

 彼らに対して、サイトの洗練されたイメージを視覚的に演出するため、「ファッション通販」と記述すべき画像を「fashion online shop」などとアルファベットで作成することも少なくない。

 しかし、サイトを訪れるターゲットは日本人であり、「fashion online shop」よりも「ファッション通販」と検索することが多いため、カタカナで検索した場合にヒットするサイトにする必要がある。検索エンジンはサイトのテーマ性の判断およびランキング決めをするための要素としてテキスト情報を採用するため、SEOを意識した結果、画像の代替テキストには「ファッション通販」と記述してしまうサイト担当者は少なくない。

 この状態は検索エンジン各社が推奨するガイドラインに反する行為として評価されてしまうため、避けるべき状態である。

【パターン2】企業やサイトの方針でブラウザ表示部分に厳しい表示制限をしいている場合

 ブラウザで表示される部分の表現が限られるサイトは多い。特にブランドロゴなどがアルファベットの場合、カタカナで表現することができない場合が多い。略称も同様だ。

 こうした場合も、代替テキストにはブランドの一般的な呼称や略称をカタカナで記述してしまうために注意したい。

 そもそもalt属性は、何かの不具合で画像が表示されない場合の代替表示方法のためのタグであり、ユーザビリティ向上のための手段である。その意味をきちんとわかった上で、的確に利用したいものである。

 検索ユーザーの検索対象は、年々Universal(あらゆるもの)化している。こうしたユーザーのリテラシーの高まりによって、検索エンジンもウェブサイトの隅から隅までを記憶し、情報を体系化している。今日では、主要な検索エンジンには画像検索エンジンが搭載されており、画像の代替テキストが主要な評価軸のひとつとなっている。

 近い将来、今以上に正確な代替テキストの記述が求められるようになるものと推察される。

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