タイトルを見て、仕事を「先延ばし」するのをやめるのでさえ大変なのに、仕事を「前倒し」するなんて考えられないと思ったら、今すぐ本書をお薦めする。著者は昼間は出版社に勤務し、夜はフリーライターとして執筆の仕事をする生活を20年続けているという。一体どうしたらそれほど多くの仕事をこなすことができるのか、不思議に思ってもおかしくない。
本書ではその著者がモットーとしている仕事のやり方を、67の項目に細分化し紹介している。仕事が立て込んでくると、ついつい「忙しい」「時間がない」と口にしてしまいがちだが、著者の考えでは、そのような事を言ってる間に仕事を片付けてしまえということだ。仕事を先延ばしにすれば、いつまでもそれが気にかかって「今」を楽しめない。それならばむしろ、仕事を前倒ししてすっきりすれば、趣味の時間を心おきなく楽しめる。
「アイデアを3つ出すときに本当に3つしか考えないのではなく、100個考える」「文章を1行目から書こうとすると立ち止まってしまうから、2行目から書く」など、実際にやってみると、心にのしかかっていた負担が軽くなる方法がたくさんあり、自分の習慣にしやすいコツが多いと感じた。仕事のやり方を少しずつ変えるだけで、生活自体に大きな変化が起きる可能性がある。
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