NTTドコモ決算は減収増益--12月導入のLTEは下り最大75Mbpsに

永井美智子(編集部)2010年04月30日 20時03分

 NTTドコモは4月28日、2010年3月期の通期連結決算を発表した。割引施策などにより売上高は減少したものの、端末の販売費用やネットワーク関連コストの減少により増益となった。2011年3月期はデータ通信カードやスマートフォンを拡販し、データ収入が音声収入を上回るようにしたい考えだ。

 2010年3月期の売上高(営業収益)は前期比3.7%減の4兆2844億円、営業利益は同0.4%増の8342億円、純利益は同4.9%増の4948億円となった。

 データ収入が順調に増加しており、総合ARPU(ユーザー1人あたりの月額利用額)におけるパケットARPUの割合は、前期から4ポイント増加の46%にまで高まった。2011年3月期にはこの割合を50%にまで高め、パケットARPUが音声ARPUを抜くようにしたい考えだ。

 NTTドコモによると、パケット定額制の契約率は50%を突破したとのこと。2012年3月までにはこの比率を70%にまで高める目標を掲げている。注力している携帯動画配信サービス「BeeTV」は加入者数が2010年3月末に107万人に達し、順調にユーザー数を伸ばした。

 解約率は前期から0.04ポイント減少の0.46%となった。また、2010年3月期の純増シェアは31.5%で、年間純増シェア1位を獲得している。

  • ARPUの推移

  • パケット定額制の契約率推移

  • 解約率の推移

 2012年3月に第2世代携帯電話サービス「mova」を終了するため、第3世代携帯電話サービス「FOMA」への移行に今後は注力する。2010年3月末時点でのFOMA契約率は94.9%となっており、2011年3月末までにはこれを98%にまで高める方針だ。

 また、2010年12月には第3.9世代携帯電話のLTEを導入する。これにより、通信速度は一部地域で下り最大75Mbpsまで高速化するという。2011年3月期中に、東名阪地域に約1000局程度の基地局を設置し、順次エリアを拡大する計画だ。

 海外事業においては、インドにおける出資提携先のTata Teleservices(TTSL)の事業が好調。契約数は6594万件となり、インド国内シェアは11.3%、第5位に躍り出た。電子コミックサービスやiチャネルサービスなどの付加価値サービスでユーザー拡大を図る。

  • FOMAの契約数

  • LTE導入計画

  • インドでの事業の状況

 なお、2011年3月期の通期業績予想は、売上高が前期比1.5%減の4兆2220億円、営業利益は同0.7%増の8400億円、純利益は同0.4%増の4970億円となっている。

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