また山下氏は、OSのアップデートにも触れ、「スマートフォンは基本的にOSがバージョンアップされるもの。技術的なことは、“やる”ときっちり発表してから」と語った。
ドコモでは現在、まずエンドユーザーを増やすことでデベロッパーも増え、そこで大きな流れを作り出して市場を拡大する、ということを目標にしており、独自にアプリケーションを紹介する「ドコモマーケット」なども運営している。今後は、開発者コミュニティへの支援や、Twitterのようなキラーコンテンツとなるサービスに対しても支援をしていくという。
ここで会場からは、「Xperiaのバッテリー持ちが悪いため、改善の予定はあるのか」という質問が挙がった。山下氏は「常に新商品はバッテリーパワーとの戦い。気持ちのいいインターフェースとのギャップがあるのは事実」とした上で、今後の課題にしていくことを語る。
これについて清水氏や古川氏からは、開発者の視点から「バッテリーなどハードウェアの課題によって、開発にブレーキをかけるべきではない」と語った。「“(アプリで)未来を見せる”のと”電池が持つ”というのはトレードオフ。ここで萎縮するのはナンセンス」(清水氏)「重要なのはリソースを生かしてアプリを作っていくこと。OSのバージョンアップによっては、スリープ性能の向上で電池が飛躍的に持つと言うこともある。今の段階でそれを理由にアプリを書かない、ユーザーが使わないという話ではない」(古川氏)
では将来、Androidのようにオープンなプラットフォームと、iPhone OSのようにプロプライエタリなプラットフォームのどちらが市場の勝者となるのか。これについて清水氏は、「プロプライエタリなプラットフォームはエッジを目指す。しかしオープンなプラットフォームはコモデティ技術に寄る。だが棲み分けされており、技術の先端性で勝てなくてもみんなが使っているという状況にはなるのではないか」と語る。
また古川氏は、AndroidかiPhoneかといった二者択一のアプローチではなく、プラットフォームに依存せずサービスを享受できることこそ重要だと主張する。「コンテンツを持っている人がプラットフォームの戦略で勝ったり負けたりするのはおかしい。またユーザーが選択したOSやハードウェアでサービスを受けられないのも変な話」(古川氏)
Androidでのビジネスはまだまだ始まったばかり。登壇者らは最後に開発者に対しての期待を語った。「参考にすべきはインターネット。どんなOSでもオープンに閲覧でき、情報を公開できる。AndroidだろうがiPhoneだろうがネットにつながっており、それらをつなげることが大きな鍵になる」(丸山氏)、「ケータイから賢くなるという流れ、ノートブックから薄くなってくるという流れの“スマート”に現状一番近いのはiPadやiPhone。コモデティ化の山が来たときに(プロプライエタリなものに対して)最後はオープンなものが勝つ」(清水氏)、「メディアではAndroidかiPhoneかとなるが、戦争ではなく共存。iPhoneは完成型の1つとして尊敬すべきで、Androidは将来に開かれたプラットフォーム。それぞれ特性を生かしてアイデアを具現化して欲しい」(山下氏)
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