現地時間3月2日の「Windows」向け「Opera 10.50」のリリースによって、新しいJavaScriptエンジンの時代が幕を開けた。Operaの新しい「Carakan」エンジンは「Futhark」よりも遙かに高速である。ウェブアプリケーションによるJavaScript利用が増大していることを考えると、これは重要なポイントだ。
筆者が少し前にデュアルコアの「Windows XP」マシンでテストを行ったところ、Googleの「V8」JavaScriptエンジンの方が依然としてベータ版のOpera 10.50より優れていたが、ほかの人が実施した複数のテストではOperaが勝っていた。競合するJavaScriptエンジンには、ほかに「Safari」の「Nitro」(旧名「Squirrel Extreme」)や、Nitroと従来の「TraceMonkey」JavaScriptエンジンを組み合わせた「Firefox」の新しい「JaegerMonkey」がある。
「Internet Explorer(IE)」は長い間、5大ブラウザの中でJavaScriptの処理が最も低速である。しかし、Microsoftは「Internet Explorer 9(IE9)」ではスクリプティング速度を向上させると約束している。筆者は、Microsoftが開発作業で使用している面白いコードネームを、まだ1つも聞き出せていない。
もちろん、JavaScriptはブラウザの1つの属性にすぎない。性能を表すほかの特徴には、ブラウザがウェブページの全ての要素をきちんと配置し、重要性の増しているCSS(Cascading Style Sheet)を処理する速度がある。Operaによれば、Opera 10.50には「Vega」と呼ばれるグラフィックスシステムも新たに追加されており、これによって性能が向上するはずだという。
そして、当然のことながら、様々な機能もある。重要なものの1つに、HTML5動画がある。Operaは、MozillaのFirefoxで対応しているOgg Theoraテクノロジをサポートしているが、AppleはSafariで同テクノロジをサポートしていない。ChromeはOgg Theoraと、Appleが採用しているH.264の両方をサポートしている。
筆者が個人的に気に入っているOperaの機能は、「Turbo」モードだ。このモードは、同社のサーバを使って、ネット接続速度が遅いユーザー向けに軽量版のウエブページを配信するというもの。正式版の10.50を使って実施したテストも含め、筆者はOperaの動作について、非常に軽快で使いやすいと感じている。
それ以外の機能には、タブのビジュアルプレビュー(タブの切り替え時に自分がどのタブを使用しているか把握しづらくなるので、筆者はこの機能を使っていない)、複数のコンピュータ間でブックマークや履歴などのデータを同期化できる「Opera Link」、クリックやボタン操作の代わりにスワイプやスイープなどの動作でブラウザを操れるマウスジェスチャー、本来なら何も表示されない新規タブページにお気に入りの様々なウェブページなどの有益な情報を表示する「Speed Dial」、そして「BitTorrent」のビルトインサポートなどがある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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