iSuppliが米国時間2月17日に発表した調査によると、「iPhone」や競合モバイルガジェットがNANDフラッシュメモリの在庫を消費しているため、2010年には供給不足が発生し、NANDメーカーの売り上げは拡大するという。
iPhoneの人気や、そのほか多くのポータブルガジェットの登場で、NANDフラッシュメモリを搭載するモバイル端末の台数は2010年には7億3200万台に達し、前年の6億4300万台から13.8%増になる見込みだ。iSuppliによると、2008年の成長率は1.6%だったという。
Appleは、業界では以前からNANDを最も大量に使用する企業の1社である。あるアナリストは先日、世界のNAND供給の約20〜30%はAppleに向かうという概算を耳にしたと述べた。さらにAppleは、価格上昇を予想して現在必要な量よりも多くのフラッシュメモリを前払いで購入する契約を、東芝などNANDサプライヤーと結んでいる。
35.2GバイトのNANDが各iPhoneで使用され、iPhoneの出荷台数が2010年には3300万台に達する可能性が高いということを合わせて考えると、業界は2010年にNANDの供給不足に直面するだろう、とiSuppliは指摘した。こうした需要増加はメーカーとサプライヤーにとっては良い知らせで、2010年の世界のNANDフラッシュ売上高は、前年の135億ドルから34%増となる181億ドルに達する可能性もある。2009年の売上高は、前年比14.8%増だった。
「スマートフォン分野におけるiPhoneの成功は、一連の競合携帯電話の登場に拍車をかけた」とiSuppliのメモリおよびストレージ担当シニアアナリストであるMichael Yang氏は声明で述べた。「これには、Motorolaの『Droid』、HTCの『Android Iris』、Palmの『Palm Pre』、Googleの『Nexus One』が含まれる。これらの携帯電話は、ストレージメモリにmicroSDカードのような別のソリューションを選択する可能性もあるが、それでもメモリ容量という点で、iPhoneと同様のスペックを提供することを目指すはずだ。このことは、NANDフラッシュ需要にとって良い兆候である」(Yang氏)
携帯電話やそのほかのモバイルガジェット以外に、電子書籍端末やタブレットPCも2010年にNAND需要を後押しするかもしれない。Amazonの「Kindle」のような専用の電子書籍端末は1台あたり512Mバイト〜2Gバイトのフラッシュメモリしか使用しないため、おそらく、それほど大きい影響は与えないだろう。今後数年間で、これらのデバイスへのワイヤレスアクセス機能搭載が進み、ユーザーが追加コンテンツをダウンロードするようになれば、こうした端末のメモリ容量は増加するかもしれない。しかし、これらが2010年で市場に及ぼす影響は軽微なものに留まるだろう、とiSuppliは述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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