成功を収めたものであっても、技術製品が動詞化されることはめったにあることではない。「ググる」という言葉は使われるが、「iPhoneる」「Excelる」「HDMIる」といった語は存在しない。
しかし、米国時間2月19日で登場から20周年を迎え、その20年もの間大きな影響を及ぼし続けてきた「Photoshop」は、英語においてその域に達している。1つの白黒画像編集パッケージだった同ソフトウェアはこの20年間で、複数の関連製品を持つ、Adobe Systemsの「Creative Suite」製品ラインの主要要素へと進化し、そしてもちろん動詞にもなっている。
米国時間2月18日にサンフランシスコで開催されるNational Association of Photoshop Professionalsのイベントには、これを祝してPhotoshopに関わる著名人らが集まる予定だ。会場に行けない読者のために、ここでPhotoshopの歴史を簡単に紹介しよう。
Photoshopは1987年、Thomas Knoll氏が、白か黒のピクセルしか表示することのできないモニター上に、グレー色調の範囲を含むグレースケール画像を表示可能なソフトウェアを作成したことに端を発する。同氏とその兄弟であるJohn Knoll氏は同ソフトウェアを、1988年にBarneyscan、そして1989年にはAdobeにライセンス提供した。1990年には、当時は「Mac」のみに対応していた「Adobe Photoshop 1.0」が登場し、1995年にはAdobeが完全にPhotoshopソフトウェアを買収した。
ピクセルレベル操作が可能なソフトウェアは、人気を集めた。Photoshopのクローンツールにより、ユーザーは画像の一部を別の画像へとコピーすることができるようになった。またこの初期段階においてすでに、レベルやカーブの調整による高度な色調の制御が可能だった。
Photoshopにはその後、数多くの新機能が追加された。Photoshopでは、基礎となる数学的な画像処理アルゴリズムに対して、わかりやすいインターフェースを提供することにより、ユーザーがエッジを鋭くしたり、色を変更したりできるようにした。レイヤーにより、写真やテキストなどの複数の要素を組み合わせた作品の作成が可能となった。調整レイヤーは、ピクセルデータに確定する前に、変更をやり直すことができるという概念を導入した。カメラレンズの問題も修正することができるようになった。
Photoshopは、出版、芸術、写真、広告などさまざまな分野で広く使用されるようになり、それぞれの分野に特化した機能が提供されるようになった。犯罪捜査、医療診断、科学的解析など、特異な市場でも使用されるようになった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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