Salesforce.comは米国時間2月17日、100のベータ顧客を対象に「Chatter」のプライベートベータ版を公開したと発表した。Chatterは2009年に発表された企業向けのコラボレーションプラットフォームである。
Salesforceはこの新製品について、「Microsoft SharePoint」や「IBM Lotus Notes」の代替品と位置づけている。しかし、Chatterはフル機能を備えたコラボレーションスイートというよりも、ほかのアプリケーションに統合可能なソーシャルなコミュニケーションツールという側面が大きいので、これは正確な説明とは言えない。
製品区分がどうであれ、顧客データをリアルタイムな情報に変換する新しいChatterソーシャルプログラムは、Salesforceにとって素晴らしい製品になりそうだ。顧客関係管理(CRM)システム全般に対する不満の1つに、自分がプロセスにかかわっている場合であれ、ダッシュボードや報告書を作成している場合であれ、ユーザーは自分が何を求めているかを把握しておく必要があるということがある。
さらに、販売担当者が複数いる場合は、顧客全体を見渡すことも困難である。このような場合にデータストリームを共有することで、ユーザーとマネージャーは一刻を争うような状況により効率的に対処できる。
また、企業の初期段階、特に市場調査を行っている時期は、電子メールで送信するほどの価値はないが後で思い出せるようにしておきたい、または少なくとも社内チームには知らせておきたいという情報やリンクに多数遭遇する。
このことは、企業の規模が少し大きくなり、社内チームがウェブで潜在顧客や競合企業に関する情報を収集しているときにも当てはまる。こうしたデータをアグリゲーション形式で利用できれば、データをより有効に活用しやすくなる。
分析サービスを提供するGartnerが先頃発表した予測によると、2014年までに、ソーシャルネットワーキングは20%の企業ユーザーにとって、主要な個人間通信手段として電子メールに取って代わるという。さらにGartnerは、2012年までに、50%以上の企業がマイクロブロギングを含むアクティビティストリームを使用するようになるが、スタンドアロンの企業向けマイクロブロギングの普及率は5%に達しないと予測した。
「Twitter」や新しい「Google Buzz」「Yammer」を長時間使用してみて、筆者は情報の更新や発信のために複数のサイトにアクセスしなければならないことを不便に感じている。Salesforceがどのような方法でユーザーのデータをエクスポートできるようにするのか、現時点では不明だ。しかし、自分自身やほかのユーザーを複数のサイトおよびサービスに誘導することに比べれば、Chatterを使う方がおそらく望ましいだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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