博報堂DYメディアパートナーズは1月28日、テレビ番組と連動したiPhone用の動画配信アプリ「ブラタモリ提供ブラアプリ」の説明会を開催した。
クウジットと博報堂DYメディアパートナーズは、1月26日にブラタモリ提供ブラアプリをApp Storeで無料公開したと発表している。番組コンテンツとiPhone 3GSが持つGPSと地磁気センサを活用し、方位ナビゲーション機能を融合。映像を片手に散歩でき、番組に出てきた場所を追体験できるのが特長だ。サービス期間は期間限定で、3月末までとなっている。
この企画のきっかけは、博報堂DYメディアパートナーズが展示会に出展していたマルチ動画変換配信サービス「Rocket Box」に、NHK 編成局 編成センター チーフディレクターの鈴木祐司氏が興味を持ったことだったという。NHKでは「3カ年経営計画」として視聴者層を広げるための施策を模索している。「(NHKの視聴者は)若年層がまだ少ない。デジタルネイティブなどと呼ばれる人たちにもヒットする素材はなにか考えた」(鈴木氏)と明かした。
アプリを通じて若年層を取り込むほか、ネットを通じて話題になることで若年層に番組をアピールする狙いがある。
ブラタモリの司会を務めるNHKアナウンサーの久保田祐佳氏も登壇し、「(テレビの情報を見て)行ってみたいと思っても、踏み出せないことが多い。こういうアプリがあったら行ってみたくなる。方向音痴なので徹底的にガイドして欲しい」と語った。
ブラタモリ提供ブラアプリは、博報堂DYメディアパートナーズが経済産業省の「平成21年度ITとサービスの融合による新市場創出促進事業(e空間実証事業)」を受託し、その一環として実施される。
「e空間実証事業は、情報技術を使って空間ごとIT化してしまったら、面白いことができるのではないかと考えた。これまでの“いつでも、どこでも、誰とでも”というサービスから“今だけ、ここだけ、あなただけ”というOne to Oneのメディアサービスを実現できる。放送番組と新しいITを融合させることで、プラスアルファの相乗関係が生まれる」(経済産業省 商務情報政策局 文化情報関連産業課 技術係長 加藤幹也氏)と、e空間の可能性を語った。
ブラタモリ提供ブラアプリは、単に映像を流したりその場所へ道案内したりするだけでなく、その場所にたどり着くと「ココカメラ」と呼ばれるカメラ機能を使って記念撮影ができる。場所によって異なる専用フレームが用意されており、いくつかの専用フレームをコレクションして楽しめる。
博報堂DYメディアパートナーズ 企画開発プロデューサーの上路健介氏は、「今後はクーポンやポイント、その場で見られる動画や音楽なども考えられる」と位置情報を利用することの広がりを語る。
場所や空間に連動したアプリケーションプラットフォームと情報配信サービス「ロケーション・アンプ」で技術協力をするクウジット 代表取締役社長の末吉隆彦氏は、「テレビ映像を手がけるのは初めてだったが、可能性を感じている。追体験をするときに、ここがタモリさんの通ったところ、とイマジネーションがすごくふくらむ」と楽しさをアピールした。
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