「グーグルの次を目指す」--Long Tail Live Station、動画検索+ライブ配信開始

坂本純子(編集部)2010年01月25日 22時26分

 Long Tail Live Stationは1月25日、動画検索を装備したライブネット配信事業を行うと発表した。6月をめどに、動画検索付きの動画配信サービスを開始するという。

 Long Tail Live Stationは、ネット配信事業と、アナログ原版フィルムをデジタルに変換するサービスの2つの事業を柱とする。

Long Tail Live Stationの代表取締役社長を務める山科誠氏 Long Tail Live Stationの代表取締役社長を務める山科誠氏

 ネット配信事業は、スポーツを中心としてコンサートなどの生中継、戦前や戦後の希少な映画、ニュースなどを配信するという。有料サービスの課金は、すでに実用化されている大手企業が発行するポイントシステムと提携し、ポイントを導入することで購入しやすくする考えだ。

 Long Tail Live Stationの代表取締役社長を務める山科誠氏は、かつてバンダイ社長、「BS11デジタル」を配信する日本BS放送の社長を務めた人物だ。

 2011年7月に予定されている地上放送の完全デジタル化を控え、日本にあるアナログデータをデジタル信号に変換する作業が必須になると山科氏は言う。「テレビに限って言えば、2011年夏からは過去50年間の番組は視聴できなくなる。残念ながら、デジタル化はほとんどできていない」(山科氏)。

 一方で、アナログ原版フィルムをデジタル化する作業は、古美術作品の修復と同様にきわめて人手に依存することから、莫大なコストがかかる問題があるという。そこでLong Tail Live Stationが独自の技術で半自動化し、コストを抑えながらも修復やデジタル化を可能にするという。デジタル化と同時に、カラー化や3D化なども行えることから、動画コンテンツの再価値化を図れるとしている。

  • 検索画面のイメージ。「画像検索」のアイコンに、画像をドラッグ&ドロップをすると検索できる

 また、デジタル化をする際に、タイトル名やジャンル、出演者、スタッフ、セリフ、映像シーンなどをタグ付けして独自のデータベースを構築。従来のテキスト検索に加え、画像や音声からも検索できるのが特長だ。

 「例えば、NHKアーカイブでたくさんの番組がアーカイブされているが、大河ドラマは年間52本ある。52時間の番組から、どうやって自分の好きなシーンがすぐに探せるのか」(山科氏)と現在の映像配信の問題点を指摘する。

 Long Tail Live Stationでは、画像をドラッグ&ドロップをしたりセリフを音声入力したりすることで検索できるようにし、簡単に見たいシーンを検索をできる強みがあるという。「グーグルの次を目指す。(グーグルを)超そうとはいっていません」(山科氏)と意気込んだ。

  • 音声画面の例。例えばアニメの決め台詞「月に代わってお仕置きよ」とマイクに向かって話すと、そのシーンの入った場面をピックアップする

 一方で、検索に使う画像をどこから持ってくるのか。決めの台詞は同じでも、ストーリーが毎回違うといったケースもあり、細かい絞り込みはどうするのか。文字で検索したほうが便利なのではないかとといった厳しい質問が記者から寄せられる場面もあった。

  • 映像の著作権にも配慮。HDDを通さず、映像配信サービスから直接Blu-ray Discに書き込めるという

 技術は、一部にヨーロッパ企業の技術を用いながら、株主でもあるベンチャー企業らと提携し、50人〜60人のエンジニアと国内で開発しているという。

 なお、Long Tail Live Stationでは、新たに普通株式として3800株を発行予定だ。ディー・ブレイン証券が取り扱う。申し込み期間は1月29日から2月19日まで。今後は、株式の上場を目指していく考えを示した。

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