リアルネットワークス、R・グレイザー氏のCEO辞任を発表

文:Greg Sandoval(CNET News) 翻訳校正:編集部2010年01月14日 11時25分

 ソフトウェア企業RealNetworksの最高経営責任者(CEO)であるRob Glaser氏が辞任した。同社が米国時間1月13日に声明で明らかにした。

 Glaser氏は声明で「16年近くCEOを務めて、今が日常業務から退く潮時だと判断した」と述べている。

 RealNetworksは、Glaser氏が今後も会長として同社に留まると述べ、Robert Kimball氏を社長兼CEO代理に指名した。12日には同社最高執行責任者(COO)であるJohn Giamatteo氏の辞任が発表されていた。

 Glaser氏は、当時MicrosoftのCEOだったBill Gates氏の下で10年間働いた後、同社を退職してRealNetworksを創設した。Glaser氏は、RealNetworksのプロプライエタリなソフトウェアフォーマットである「RealAudio」と「RealVideo」をメジャーな存在に育て上げた。ウェブの黎明期、RealNetworksとオンライン動画および音楽は同義語のようなものだった。

 しかし、RealNetworksはMP3などの音楽フォーマットの台頭で影が薄くなり、2006年にウェブで動画ブームが巻き起こったときも、それをただ静観しているだけのようだった。Chad Hurley氏とSteve Chen氏がYouTubeを立ち上げたとき、動画への関心が一気に高まった。RealNetworksはその流れに乗じることができなかったようで、それ以来、同社の影響力は低下の一途をたどっている。

 Glaser氏はテクノロジ業界でのキャリアを通して、たとえそうすることが賢明な選択であっても、決して戦いから身を引かないという評判を築き上げた。

 RealNetworksは2005年、Microsoftを相手取って起こした10億ドルの訴訟で和解を勝ち取り、MicrosoftはRealNetworksに対して現金とサービスで7億6100万ドルを支払うこと、そして、MSNネットワークでRealNetworksが展開するサブスクリプション型音楽サービス「Rhapsody」のプロモーションを行うことに合意した。この案件はRealNetworksにとって有益なものだったかもしれないが、Glaser氏のほかの法廷闘争には同社に利益をもたらさないものもあった。

 大手映画会社が2008年、RealNetworksを訴える考えであることが明らかになったとき、RealNetworksはそれらの映画会社を相手に法廷闘争を開始した。ハリウッドは、DVDコピーソフトウェアの「RealDVD」が著作権法と契約上の合意に違反しているとして、RealNetworksによる同ソフトウェアの販売阻止を求めていた。

 米連邦地方裁判所のMarilyn Patel判事は2009年、RealDVDの販売に対して仮差し止め命令を出し、RealNetworksは陪審による決定が下されるまで販売を控えることを余儀なくされた。RealNetworksはデジタル映画の記録および保存機能を備えた新しいDVDプレーヤーの発売も予定していたため、Patel判事の裁定は同社にとって大きな打撃だった。

 RealNetworksが費用のかかるこの法廷闘争を今後も続けるつもりなのかどうかは、不明である。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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