手軽に写真を楽しむツールとして、デジタルフォトフレームが人気を集めている。数千円で購入できるおもちゃ感覚の手軽なものから、大手家電メーカーが販売する大画面液晶を搭載した3万円を超えるハイエンドなものまで、種類も豊富だ。
一方で、デジタルフォトフレームは数あれど、無線LANに対応する製品はほとんどなく、あっても高額なのが現状だ。
そんな中、NECビッグローブが市販されているデジタルフォトフレームを無線LAN対応にできる外付け端末を開発中であることを明かした。端末のコードネームは「bitcrawler(ビットクローラー)」。手のひらサイズの小さな端末で、デジタルフォトフレームのUSBポートに接続すると、手持ちのデジタルフォトフレームを無線LANに対応できるのが特長だ。無線LANに対応することで、さまざまなオンラインフォトサービスとの連携して、手軽に写真を楽しめるようになる。
bitcrawlerは、PCにつないだときにマスストレージとして見えるデジタルフォトフレームであれば利用でき、「おおよそのフォトフレーム端末に対応できる」(NECビッグローブ アプライアンス事業開発本部 グループマネージャーの粟冠徳幸氏)という。
bitcrawlerは、NECビッグローブが今後展開予定の「ライフログ型トライアルサービス(クローズドモニター試験運営中)」にも対応する。あらかじめライフログサービスに画像をアップロードしておけば、携帯電話などから旅行にいった日程を指定して、フォトフレームへ簡単に転送する、といったことが可能になる。
仕組みとしては、無線LANを内蔵したbitcrawlerが、ビッグローブのサーバから指定されたデータをダウンロードするもの。今後は携帯電話から画像をメールを送信して画像を表示したり、Twitterのタイムラインを画像化して表示するなどして他のサービスと連携したりすることも検討しているという。
bitcrawlerを開発したのは「せっかく作ったライフログコンテンツをどう楽しむかを考えた結果」だと粟冠氏は話す。
「フォトフレーム買っても、ダウンロードするのが大変で使わなくなる人もいるし、キャリアの端末はデザインが選べない現状がある。ハードウェアを作りたいのではなく、われわれは足りないところを埋めようとしているだけ。どこからも出てこないので、我々がちょっと協力すればできることがある」(粟冠氏)
最近ではソフトバンクモバイルやNTTドコモなどのキャリアもデジタルフォトフレーム市場に参入し始めた。通信モジュールを内蔵した端末で、携帯電話で撮った画像をメールで送るだけで端末に写真を表示できる利便性が特長だ。対応するのは、キャリアが提供するフォトフレームに限られるため、自由にデザインを選べないほか、一定の料金を毎月払い続ける必要がある。
bitcrawlerの端末料金、商用化は未定だが、「2010年度の早いうちを目指したい」とのこと。「月額での利用料金とした場合は、サーバ利用料として数百円レベルを想定する」とのことだ。
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